
国立社会保障・人口問題研究所から発表されたデータによると、2010年時点で、夫婦が生涯にもうける子どもの数は1・96人だったという。これは、過去最低の結果。今後ますます日本は、少子高齢化という生々しい現実の問題と対峙しなければならない。
当然年金だって、少子高齢化が進めば、単純に若者と年配者の人口バランスが崩れ、加入者1人が年配者1人以上を支えなければならないようになってくる。
さらに同研究所は、未婚者で、つきあっている異性がいないと答えた人の割合が、男性6割、女性5割という驚異の数字を発表した。少子化対策などどこ吹く風。世の中の現実は、国の思惑とは真逆の方向に進んでいるのではないだろうか。
私には去年生まれた娘がいるのだが、東京とハワイで子育てをしていると、東京での子育て環境の劣悪さがより鮮明になる。それほど、海外と日本の子どもへの考え方は違う。
海外は「ベイビーファースト」が徹底されている。赤ちゃんがいれば、すべてのドアは誰かが開けてくれる。だが東京では、赤ちゃんを連れて人混みに行けば、舌打ちをされる。
海外で赤ちゃんを連れていると「ありがとう」を言う機会が多く、日本では「すいません」と謝ってばかりいる。
これでは益々少子高齢化一直線である。こんな状況では、積極的に子どもを作ろうと思わなくなるだろう。実際、少子化対策など名ばかりで、何も改革は起きていないのだ。
しかし、今の日本の未来を考えるとき、暗澹たる気持ちにさせる「今そこにある危機」は少子高齢化だけではない。それに伴う年金問題、今年度ついに1千兆円を突破する見通しの国の借金、経済危機、長引く円高、金融不安......。そこに追い打ちをかけるように、東日本を中心に襲った大震災、大津波、そして福島第一原発メルトダウンによる放射性物質汚染。
金、食、インフラの安全が当たり前のものでなくなった今、私たち、特にこれから未来を切り拓こうとしている若者たちにとって、何一つ光明が見えない。
私は、そんな現代に生きる日本人を「絶望世代」と名付けた。
しかし絶望を嘆いているだけでは仕方ない。ここからはサバイバル力をつけ、とにかく生き抜いていかなければならない。
話はちょっとずれるが、あのマヤ文明の「マヤ暦」には、2012年の12月21日に「人類が滅亡する」とあるらしい。それが本当かどうかはともかく、世界では米大統領選を始め、中国、北朝鮮、フランスでトップの交代劇がたまたま重なる見込みなど、世界の終末説が出てもおかしくないとさえ感じてしまう。2012年が「激変」の年となることは間違いないだろう。
そんな荒波を時にサーフィンし、時に潜水しながら、沖の向こうにある未来へ泳ぎ切らなければならない。
しかし、どんな時でも必ず「抜け道」はあるものだ。
本書は私なりにプロデュースしたそんな絶望世代のための「抜け道マップ」である。これだけの超難関が待ち受ける今、本書を駆使し、混沌とした世界からぜひ抜け駆けしていただきたい。抜け駆け上等。もはや個人個人が生き抜いていくしかない。
「絶望世代に告ぐ」
いち早くパラダイムシフトに気づき、変化を恐れず一人ひとりが進化していけ。躊躇している場合ではない。それしか、絶望世代からは抜けられないのだから。
おちまさと
1965年、東京都生まれ。プロデューサー。1987年「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の放送作家オーディションに合格し、番組の総合演出家・テリー伊藤氏に師事し放送作家デビュー。「学校へ行こう!」などの企画や「仕立屋工場」「空飛ぶグータン」など数々のヒット番組で企画・演出・プロデュースを手がける。WEBサイトやSNSゲーム、ファッションからマンションまで、さまざまな分野で、企業ブランディングやコラボ企画のプロデュース、デザインを行うなど、ジャンルを超えて幅広く活躍。雑誌や書籍では数多くの対談でインタビュアーを務める「対談の名手」として、またブログやツイッターが高いアクセス数を誇る情報キュレーターとしても知られている。著書に『企画の教科書』シリーズ、『初対面の教科書』『時間の教科書』(以上NHK出版)、『小沢一郎総理(仮)への50の質問』(扶桑社)、『相手に9割しゃべらせる質問術』(PHP新書)『「気づく」技術』(ダイヤモンド社)などがある。プライベートでは、2010年5月21日に娘が誕生した。
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