世田谷一家殺害事件

 この謎めいた黒いハンカチの存在に捜査本部は頭を抱えた。
「ぐちゃぐちゃになったハンカチの真ん中、端にはちょうど刃の大きさほどの切り込みが10カ所あり、下部分は大量の血液でぐっしょりしていた。ハンカチの端の布と包丁の柄をこの穴に入れ、包丁の滑り止めにしたのではないかと思われる切裁痕が10カ所ほどあった。包丁で人を刺した場合、血と脂で滑るので、多くの犯罪者が利き腕(右手)を負傷する。犯人はそれを防ぐため、ハンカチをあらかじめ細工し、ヒップバッグに入れて現場に持ってきたと思われる。バッグにも刃と同じ切裁痕があった。三角形のほうは何に使ったのか、不明だが、こちらにも20カ所以上の切裁痕があった。これらの細工は犯人の用意周到さを物語り、殺害目的で来たとも推察できた」(捜査本部関係者)
 廊下には犯人が脱ぎ捨てた黒い手袋があったが、中はA型の血痕がこびり付いていたという。

 血がなかなか止まらなかったのか、犯人は泰子さんのものとみられる生理用ナプキンまで取り出し、傷口の応急処置をした。浴槽へそれを投げ込んでいたことはすでに述べた。
 2階居間にあるテーブルの上にはバンドエイドの缶、外傷を消毒する薬などが乱雑に置かれ、周囲にはバンドエイドを剥がしたナイロンのセパレーターが落ちていたが、ここでもまた、犯人は奇妙な行動を取っている。
 バンドエイドを傷口に張りつけた後、なぜか、また剥がし、居間のソファの上にあったノートの裏面にそれを張りつけていたのである。そのバンドエイドには血がべったりと付着していたという。

 ソファの上にはノートのほか、夫妻名義の運転免許証や旧富士銀行発行のキャッシュカード、JALのクレジットカードなどが散乱していた。ある捜査員がこう推測する。
「犯人は泰子さんの薄緑色の財布、みきおさんの革財布などから現金やキャッシュカードを抜き取った後、浴槽の中へポイポイ投げ捨て、廊下には計1121円分の小銭がぶちまけられていた。免許証の生年月日から、夫妻のキャッシュカードの暗証番号を割り出そうと試みたようでテーブルの上にあったノートにはさまざまな数字が書き留められていた。漢字を識別する能力があることは間違いない。だが、バンドエイドをノートの裏に張りつける心理は理解に苦しむ」

 捜査本部で宮澤夫妻の家計簿などから分析したところ、15万円前後の現金が不足していたという。
 だが、1階本棚の本の上に載せられていたビニール袋に入った現金6万1千円は手つかずのままで、「犯人が現金を幾ら持ち出したのか、判別できなかった」(同本部)という。
 そして犯行後に冷蔵庫からカップ容器入りのアイスクリームを取り出し、スプーンを使わずにむさぼり食べたという奇行はすでに報じられている。

 アイスの空き箱は1階、2階から計5個、見つかっている。
 一つは浴槽に浮いており、残りは居間の座布団の上、流し台の炊飯器の上にそれぞれ1個、1階の学習室にあった紙袋から2個、発見された。うち犯人の指紋が付着していたのは四つで、流しの上にあったアイスクリームは食べかけで結局、誰が食べたのか、判明しなかったという。

 捜査本部捜査員が解説する。
「犯人は2階の冷蔵庫、居間北側にある食器棚、子供部屋西側の5段式の整理ダンス、1階の学習室の本棚、納戸など引き出しという引き出しを片っ端から物色し、その合間、休憩がてらアイスを食べ散らかし、冷蔵庫にあったペットボトルに入った麦茶をラッパ飲みした形跡もあった。泰子さんのハンドバッグ2個を2階トイレへ持ち込み、便座に座って用を足しながら、金目のものを識別していたようだ。かなりずぶとい神経の持ち主です」

 捜査報告書によると、1階の紙袋の中に捨てられていたアイスの空き箱、2階トイレ前の引き出し、居間に残されたバンドエイドの缶などから犯人のものとみられる対照可能な指紋が24個、掌紋は3個、採取されていた。
 捜査本部はすでに1千万人以上の指紋照合を終えたが、一致するものはいまだに見つかっていない。
 犯人は居間のソファ前で着ていた帽子、マフラーを外し、黒ジャンパーとラグランシャツ、ヒップバッグを次々と脱ぎ捨てていた(写真)。
「ラグランシャツはヒップバッグの上に裏返しの状態で置かれていたが、前面の胸から腹部にかけて擦過状、飛沫状の血痕が付着していた。犯人が4人を襲った時、ジャンパーとマフラーはすでに脱いでいた可能性が高い。犯人はクローゼットのハンガーからみきおさんの9着分の背広、ズボンなど衣服を取り出し、床にぶちまけていた。みきおさんの魚模様のトレーナーがなくなっていることから、着替えて逃走したとみられます」(成城署捜査本部)

コメント(2)

僕は、風俗店に勤める女性から話を聞くことがあります。
それは、アダルトビデオの影響が大きいということです。
今までは、擬似SEXでしたが、堂々と本番が行われています。アダルトビデオに係わる事件も起きています。
それは、やってはいけない行為をやっていいように描くからです。例えば、ソープランドで生中だしは、厳禁です。
しかし、AVでは、当たり前のようにやっています。
それを見た客が、実際の店でやろうとするのです。
もう少しAV規制を厳しくした方がいいと思います。

日本人の男性にはメニューをきっちり示さないとダメなんだってさ。欧米の映画観たらわかるけど、例えば暗黙のルールを心得た上でデリヘルを呼んでるなんて場面がよく出てる。金払えば何してもいいというのは、あらゆる文化の分野で、馬鹿で無礼な人間のすること。風俗だって文化だよ。

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