ブログNEWS
第65回 ツイッターの次はFacebookだ!
今年に入って Facebook(フェイスブック)という言葉を見聞きする機会が多くなった。7月には会員数が全世界で5億人を突破したことがネット中心に大きな話題になった。10月にはツイッター・ブームの立役者でもある経済評論家の勝間和代さん、歌手の広瀬香美さんが相次いでFacebookに公式ページを開設し、それがまたネットで格好の話題になった。11月には英国王室が公式ページを開設したことがテレビなどでも報じられ、広く一般の人たちの耳目を集めた。来年1月にはFacebookの創設者であるマーク・ザッカーバーグCEO(1984年生まれ)を主人公にした映画「ソーシャル・ネットワーク」が公開されるため(米国では今年10月公開)、Facebookという言葉を見聞きする機会がさらに多くなるはず。少し前にツイッターが大きなブームになったばかりだが、ここへ来て流れはFacebookに向かっているようにも見える。もっとも世界的に見ればその流れはすでに顕著、というか決定的ともいえるのだが。
Facebookは現在70カ国語以上に翻訳されて世界中でサービスを展開しており、ロシアや中国、ブラジル、日本など一部の例外を除くほとんどの国でナンバー1ソーシャルメディア(ブログやSNS、ツイッターなどの総称)の座を得ている。米国ではネットの全ページビューのおよそ4分の1(24.27%)がFacebookへのアクセスで占められているという調査結果も出ている。2位のYouTubeが6.39%、3位のGoogleが5.32%であるから、Facebookのページビューがダントツに多いことがわかる。このことからだけでも、今やFacebookがネットの中核的存在になっていることがよくわかる。
Facebookの魅力はいったいどこにあるのか? 勝間和代さんは"ユーザーとして気持ちのいい感覚を作りだしているところが秀逸"だと自身のブログに書いている。具体的には、原則として実名登録であるFacebookは相手の顔や名前がわかるのでリアルの対面に感覚がより近いこと、そしてもうひとつ、操作性と機能がずば抜けている点をあげている。実際に会ったときにも「他のSNSに比べてケタ違いに高性能。びっくりした」といっていたことを思い出す。
11月に大幅な機能刷新が発表されたばかりの『メッセージ』(Messages)は、Facebookのずば抜けた操作性と機能性を語る上でまさにうってつけだ。同機能を使うとFacebook上でのメッセージの送受信だけでなく、ネット上でやりとりされる様々なメッセージ(電子メール、携帯メール、チャット等)を簡単な操作ですべて一元管理することができるようになる。Facebookのアカウント@facebook.comのアドレスさえ持っていれば、それだけでネット上のあらゆるコミュニケーションに対応できるということだ。Facebookがさらに普及し、世界中の人がメッセージ機能を使うようになれば、電話も電子メールも必要のない時代が来るとザッカーバーグCEOは示唆する。
日本においては実名登録に対する抵抗感があり、日本語化がまだ不十分であることからGREE(7月末時点の会員数2125万人)やmixi(同2102万人)に大きく後れを取っているが(現在200万人弱)、日本語化がもう一段進めば急速に普及が進むのは間違いない。ツイッターの次はFacebookを要チェック!だ。
Facebookの英国王室公式ページ(上)と、創設者マーク・ザッカーバーグ氏のページ(下)
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
ブログ「わたし、ブログ評論家です。」http://ameblo.jp/blog-hyoron
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第64回 当たる競馬予想ならコレ!!
・第142回天皇賞(秋)→3連複的中!
・第48回アルゼンチン共和国杯→馬連的中!
・第35回エリザベス女王杯→3連複的中!
・第27回マイルチャンピオンシップ→ハズレ
・第30回ジャパンカップ→馬連的中!
最近1カ月の「スゴ馬」の予想結果だ。プロの競馬評論家たちがしのぎを削るスポーツ紙の予想にも引けをとらない堂々の予想結果といっていいだろう。
「スゴ馬」はブログに書かれた競馬予想を独自の解析方法で算出し、毎週〝スゴ馬ブログ予想〟として発表しているサイトである。サイトを運営しているのは株式会社きざしカンパニーというユニークな社名の会社であり、競馬の予想に威力を発揮しているのは同社が開発したkizasiサーチエンジンである。総勢約1000万人のブロガーが書いた2億強の投稿記事の中から毎日約25万の投稿記事を自動的に収集し、そこに記されているすべての言葉を約10分ごとに時系列で解析することができるシステム、それがkizasiサーチエンジンだ。
「ブログの登場によって発信されるようになった生活者の情報を効率的に収集、解析することを目的に開発したのがkizasiサーチエンジンです。開発した当初は解析結果を何に使えるかもわからなかったのですが、24時間ごとにホットなワードを抽出してみたところ、週末になるとカタカナのワードでダァ~と埋め尽くされることに気がついた。何だろうと思ったら競走馬の名前だった(笑)。自分のブログで競馬の予想をしている人がものすごくたくさんいるということがわかった。これは何かコンテンツになりそうだとピンときた」(稲垣陽一きざしカンパニー専務)
競馬の予想をしているブログを何万、何十万と集めて予想結果を集計しただけでは、単なるオッズと変わりがない。そこで同社は一工夫凝らした。
「競馬の予想をしている数十万人のブロガー一人一人の過去の戦績を解析してそれぞれ的中率を導き出し、的中率のいいトップ300人を選び、その人たちの予想を集計したものをスゴ馬ブログ予想として発表することにしたのです。この一連の作業をkizasiサーチエンジンがすべて自動的に処理しているのです」(稲垣専務)
このような工夫を凝らしたスゴ馬ブログ予想がよく当たるのは、統計学的に見ても当然といっていいのだろう。
「人気のあるGⅠレースのように競馬ファンが一斉に書き込みをすればするほど的中率は高くなります。逆にマイナーなGⅡレースやGⅢレースだと書き込みが少ないので的中率が下がる。またトップ300人の集合知になりますので、大穴はなかなか当たらない。ただ、倍率50倍、60倍くらいまでの中穴の的中率はかなり高い。本命ガチガチの鉄板レースは間違いなく取れます。スゴ馬ブログ予想どおりに賭けていれば、年間を通して少なくともトントン以上の成果を上げることができます」(藤森和彦メディアプロデューサー)
「スゴ馬」はkizasiサーチエンジンの機能の一部を具現化したものにすぎない。その機能を活用すれば日々投稿される膨大な量のブログから世の中の様々な兆しを読みとることができる。たとえばファッションに関する書き込みを収集・解析して、次のシーズンの流行を予想するとか。アイデアしだいで面白いコンテンツが次々に生まれてきそうだ。
「スゴ馬」のトップページ(http://kizasi.jp/topic/sugouma/)
ジャパンカップの予想結果 (http://kizasi.jp/topic/sugouma/20101128)
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』
『長靴を履いた開高健』など。
ブログ「わたし、ブログ評論家です。」http://ameblo.jp/blog-hyoron
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第61回 浜崎あゆみCM出演の裏
10月2日にオンエアがはじまったソフトバンクモバイルのテレビCM(流しのAyu篇)で、歌手・浜崎あゆみがお父さん(北海道犬のカイ君)と念願の共演を果たした。
場面は、女将(室井佑月)が1人で切り盛りしている小料理屋。客はカウンターに座ったお父さんだけ。「雨、止まないわねぇ」(女将)、「止まない雨はない!」(お父さん)。そこへ流しの演歌歌手Ayuがギター弾き(演歌歌手・宮史郎)を伴って登場。「こんばんは。1曲いいですか?」(Ayu)、「流しか」(お父さん)。さっさと出て行けと手で合図する女将を「ま、いいじゃないか」と制すお父さん。「ありがとうございます。それじゃ新曲いきます」といって「ただの雨」を歌い出すAyu......というCMだ。
このテレビCM、そもそもの事の発端がかなり変わっている。今年6月4日、ツイッターをはじめて間もないAyuが面識のない孫正義ソフトバンク社長に向かって〈孫さーん〉(16:21)とつぶやき、その4時間後に孫社長が〈何ですか~っ?!〉(20:27)とつぶやき返したことから話が急展開しはじめるのである。〈始めまして、浜崎あゆみと申します。孫さんーっっっ!! 犬のお父さんと共演したいでございます。〉(Ayu 21:24)、〈やりましょう。〉(孫 23:53)
こんなやりとりがあった直後に、孫社長は広告の企画制作担当者らに〈○○ちゃん宜しくね~〉とつぶやき、話をどんどん進めていく。一方のAyuサイドはといえば、所属するレコード会社の社長であり、所属事務所の社長でもある松浦勝人氏が翌5日朝になってツイッターに登場し、〈私に関する事で、まさ(=松浦社長)が知らない事などない件〉(07:53)というAyuのつぶやきに応えて一言〈そう。〉(09:04)とつぶやき、一連のやりとりをすべて承知していることを明らかにした。
浜崎あゆみ自身がお父さんとの共演を熱望し、スポンサー企業の社長が「やりましょう。」と即OKし、所属事務所の社長がそれを追認したのだから、この時点でテレビCMへの出演は事実上決まったも同然。浜崎あゆみが〈孫さーん〉とつぶやいてからわずか17時間後のことである。ネットのコミュニケーション・ツールを活用した今どきのビジネスのありようを垣間見た思いだ。
浜崎あゆみ×お父さんのコラボCMはオンエア前からネット上で大きな話題になり、それもあってCM総合研究所が実施した10月前期のブランド別CM好感度調査でソフトバンクモバイルは1位になっている。これを記念してCM挿入歌「ただの雨」の無料ダウンロードが期間限定で実施され、さらに話題を盛り上げた。これもまたツイッター上での孫社長×松浦社長のつぶやきで決まったことである。
ちなみにソフトバンクのホームページでは孫社長がツイッターで「やりましょう」とつぶやいた事案のその後の進捗状況を一覧表にして公開している。11月8日現在で実行に移されたものは、浜崎あゆみ×お父さんのコラボCMを含めて67案件に達している。ソフトバンクショップでのiPhoneやiPadの無料充電サービス、海外パケット定額制(1日1480円)、スターバックスコーヒー店舗でのWi-Fi等々、みな孫社長の「やりましょう」の一言からはじまったサービスである。
ソフトバンクモバイルのCMの動画が見られるページ
(http://mb.softbank.jp/mb/special/ayu/)
と孫社長のつぶやきをまとめたページ
(http://do.softbank.jp/#done)
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』
『長靴を履いた開高健』など。
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第57回 ブログで稼ぐ!
1000万人を超える会員数を誇るアメーバブログを運営しているサイバーエージェントの藤田晋社長は、今から4年ほど前に自身のブログ「渋谷ではたらく社長のアメブロ」の中で次のように予言している。
〈近い将来、人気ブログを書く個人が、今とは桁違いの収入を得られる時代になるでしょう〉
〈単なる副収入という訳ではなく、個人でブログメディアを持ち、これを本業として生活する人も増えていくでしょう〉
4年後の今、藤田社長の予言は現実のものになりつつある。アフィリエイトやドロップシッピングで収入を得ている人、ブログに広告を貼り付けて収入を得ている人、ブログが書籍化されて印税収入を得る人などなど、さまざまな形でブログから収入を得ている人が少なからず存在する。ただし桁違いの収入を得ている人はごくごく少数にすぎないが。
アフィリエイトとは成果報酬型広告の一種。Amazonを例に取ると、たとえばAさんが『暴走検察』(上杉隆著)の書評を自分のブログに書き、同時にAmazonの『暴走検察』のページにリンクを張ったとしよう。Aさんのブログを訪れた読者が書評を読んで興味を覚え、リンクを辿ってAmazonに飛んで『暴走検察』を購入すると、AmazonからAさんに対して税抜き価格の3~8%(紹介料プランおよび紹介点数によって異なる)が支払われる。これがアフィリエイトの仕組みだ。
"アフィリエイトで月10万円の副収入"などという書き込みをネット上で見かけるが、実際にはそんなに儲かるものではない。紹介料ゼロということがざらであり、頑張っても年間数百~数千円という人が大半だろう。もちろん1日に1万人、2万人もの読者が押し寄せる超人気ブログになると、アフィリエイトの紹介料が年間数百万円になることもあるが、それは小飼弾さんや堀江貴文さん、池田信夫さんら超人気ブロガーに限った話。以前Asabloに登場いただいた池田さんは、アフィリエイトによる売り上げは「駅前の小さな書店と同じくらい」あり、その売り上げに対する紹介手数料は「ブルーカラーの年収くらい」といっていた。ざっと400万円前後!? ちなみに矢野経済研究所は2012年度のアフィリエイトの市場規模は1235億円に達すると予想している。
ドロップシッピングとは、ブログなどで商品を宣伝して注文を受け付け、注文が入ると製造業者や卸業者に取り次ぎ、業者のほうから直接商品を注文主に配送させるネットショップ運営の一形態。自分で設定した小売値と卸値との差額が収入になる。開業資金ゼロで、在庫を持たずにネットショップを開業できるのがドロップシッピングの大きな魅力だが、残念ながらドロップシッピングで大儲けしたという話は聞いたことがない。アフィリエイトにしろドロップシッピングにしろ、実際にはそう簡単に儲けることができるわけではないのだ。
総務省情報通信政策研究所がまとめた『ブログの実態に関する調査研究』(2009年)によると、アフィリエイトやドロップシッピングを主にした収益重視型のブログは全ブログの10.1%を占めるという。収益重視のブロガーが300万人近くいる計算だ。
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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第53回 求人もツイッターの時代に
2011就職戦線では、ツイッターを利用して採用活動を行った会社がネットで話題になった。価格比較サイトなどを運営するECナビの宇佐美進典(しんすけ)社長は、今年1月16日ツイッターでこうつぶやいた。[ECナビでは2011新卒採用人数は10名の予定ですが、ツイッター経由でのみ募集予定。詳細は来週に]。翌週21日につぶやいた詳細は以下の通り。[2011卒業の方、かつtwitterアカウントで10名以上のフォロワーがいる方を対象に社内見学&若手懇談を2月上旬に開催します。参加希望の方はRTで「ECナビ入りたい!」で]
フォロワーとは登録読者のこと。友だち同士でフォローしあえば10人くらいのフォロワーはわけなく集まるので、これ自体は有って無きがごとき条件といえる。RTは返信を意味する。宇佐美社長のつぶやきはネットニュースで取り上げられたこともあり、1月28日には学生からのRTが予定していた100件に達し、その時点で応募は打ち切られた。
ネット広告大手サイバーエージェントの藤田晋(すすむ)の追加募集始めました。RT歓迎です!詳しくは今書いた私のブログで→]。→のあとに記されたURLをクリックすると藤田社長のブログに飛び、そこにエントリー用のURLとログイン後に必要となるパスワードが記されている。このURLとパスワードを知っている学生だけが応募できる仕組みだ。あえてこのような仕組みを採り入れた理由は、通常の採用方法だと学生が殺到しすぎるからだと藤田社長は自身のブログに書いている。人気企業ならではの贅沢な悩みだ。
新卒採用にツイッターやブログを利用するケースはまだ少ないが、中途採用やアルバイトの採用にツイッターやブログを使うことは今や珍しいことではない。そういえば週刊朝日編集部も、公式サイト「談」で配信する動画番組のアシスタントを少し前にツイッターで募集していたっけ。
コストをかけずに、必要なときにタイムリーに募集をかけることができるツイッターやブログを利用する企業は、これからどんどん増えていくに違いない。単に募集するだけにとどまらず、それらを使って応募者を選別する企業も増えることが予想される。たとえばECナビはフォロワー10人以上を応募条件にしていたが、世界最大の家電量販店ベスト・バイ(米)が09年にシニアマネージャーを募集したときは、ツイッターのフォロワー250人以上が応募条件の一つになっていた。250人ものフォロワーは一朝一夕に集められるものではないので、この応募条件はかなり厳しい。
アメリカでは応募者名をググって(グーグルで検索すること)採否の参考にしている企業も少なくないという。応募者が日頃ブログに何を書いているか、ツイッターでどのようなことをつぶやいているかを調べ、それによって人物評価を行い、採否の判断材料にするわけだ。
ググっても何もヒットしないのもまた問題。ネットを使いこなしていない、ネット・リテラシーが低いと判断されてしまうからだ。そうしたことを判断するために、履歴書にブログのURLやツイッターのアカウントを書かせる企業が登場するのも、そう遠いことではなさそうだ。
・新卒採用の情報を載せる宇佐美社長のブログ画面(上、1月27日)
・藤田社長のブログ画面(下、3月15日)
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
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第49回 ツイッターで市民と対話
千葉市の熊谷俊人市長は8月10日、ツイッター版市民対話会を開いた。〈市の財政と健全化への取り組み〉というテーマでツイッターを使って市民と対話をしようという、おそらくは全国初の試みだ。全国最年少(1978年2月18日生まれ。32歳)の若い市長らしい新たな試みである。
ツイッターには特定のテーマに関する不特定多数の投稿をまとめて一覧表示するハッシュタグ(#タグ)機能がある。今回の試みはこの機能を利用したもので、当日は#chiba^n0810というハッシュタグが使われた。意見や質問を140字以内でまとめ、その文章のどこかに#chiba0810と書き加えて投稿すれば、対話会で発言したり、市長に質問したりすることができる仕組みだ。
ユニークな対話会を企画した意図を熊谷市長は次のように話す。「市政に関心の薄い若い世代の声を行政が把握すると同時に、若い世代が市政に触れる機会になればと思い、ツイッターが適していると判断しました」
事前に千葉市のホームページにツイッター版市民対話会の実施要項、テーマについての理解を深めるための関係資料、またツイッターの利用法などをアップして周知徹底を図り、そうして迎えた8月10日午後9時、[では開始いたします。]という熊谷市長の投稿を合図にツイッター版市民対話会はスタートした。最初の45分間は熊谷市長が質問し、それに応えて市民が思い思いに投稿をするという形で進められた。市長[財政健全化の一環として、他市と比べて安価な料金であった公共施設について、来年4月から有料化や料金見直しを行いますが、これについてのご意見をお聞かせ下さい。] 市民[市の財政状況を考えれば当然の事と思います。] 市民[有料化、料金が高くなった分が市民全体に還元されるのなら、よいと思います。]といった具合。最後の15分間は逆に市民の質問に市長が答える形で投稿が繰り返され、予定通り10時にツイッター版対話会は終了した。
初の試みとあって市長も市民も戸惑っている様子が投稿から読みとることができた。140字の制限があるため、思うように意見を述べることができないまどろっこしさも感じ取れた。しかし、終わってみればそれなりの対話が図れたように感じられたし、そこに新たな可能性も感じられた。「手探りではありましたが、ある程度、想定通りの対話会ができたと考えています。対話会を通して、多くの方が市政に関心を持つきっかけを得たことが一番の成果だと思います。行政としても、普段接することの少ない層の意見の大勢を知ることができ、参考になりました。今後もこうした取り組みを通して市民が市政を考え、そして意見をみんなで言いあう雰囲気ができるといいですね」(熊谷市長)
今後はツイッターにとどまらず、リアルタイムに動画を配信することができるUSTREAMを使った対話会なども検討していくと熊谷市長はいう。
ちなみに熊谷市長へのインタビュー依頼、ならびにインタビューそのものもすべてツイッターを使って行った。熊谷市長には一度もお会いしてないし、電話で話してもいない。メールのやりとりもなし。これもまた全国初の試みだと思う。変則的なインタビューに応じてくれた熊谷市長に、この場を借りて改めてお礼申し上げる。
■熊谷市長のツイッター画面(上)と、ブログ画面(下)。


市民対話会では、1時間で263ツイート、79アカウントの人が参加した
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
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第44回 不用意な発言から会社を守れ!
社員がブログに書いた内部告発が原因で会社が経営の危機に瀕したり、ツイッターに投稿した不用意なつぶやきが原因で水面下で進んでいたM&A話がとん挫したり──というようなことがあっても何ら不思議ではない。だれもが自由に発言できるネット社会はそういうリスクも孕んでいる。
昨年3月にトレンドマイクロ社が発表した情報セキュリティー意識に関するアンケート結果は、社員一人ひとりがリスク因子になる可能性を示唆している。「登場する知人・友人の氏名や勤務先名が匿名であれば、会社での出来事をブログなどに書き込む行為を許せるか?」という設問に対し、社会人の回答者(20歳以上の正社員721人)の60.7%が「許せる」「やや許せる」と回答しているのだ(図1)。この結果を踏まえて、トレンドマイクロ社は個人として情報発信する場合のマナーやルール、業務に関わる情報の取り扱いなどに関する情報セキュリティー教育が急務であることがわかったとしている。それもそのはず。社名や部署名、個人名などが匿名であったとしても、内容を吟味すればそれらを特定することは可能であり、社名等が特定されれば冒頭に書いたようなリスクが現実のものになることもあり得るからだ。
こうしたリスクを回避するためには情報セキュリティー教育の実施と同時に明確なガイドラインを示すことが必要だが、実際には無防備な会社が少なくない。
今年4月、日本IBMは自社のウェブサイトに「ソーシャル・コンピューティング・ガイドライン」を公開した。2005年に米IBMが策定したガイドラインの日本語版で、ブログやSNS等で社員が個人的に情報発信する際に遵守すべきルールがまとめられている。日本企業にとっても手本になる内容なので、以下にその概略を紹介する。
・掲載した内容には個人的に責任を持つ。
・IBMに関連することを書く際には氏名を明らかにする。一人称を使って書き、書いた内容は個人的見解でありIBMの意見を代弁するものではないことを明確にする。
・IBMに関する話題をブログで公開する際には次のような免責文を入れる。「このサイトの掲載内容は私自身の見解であり、必ずしもIBMの立場、戦略、意見を代表するものではありません」
・人種に関連した中傷や特定の個人への侮辱、猥褻な内容、IBMに対する不利益行為などを禁止する。
・IBMおよび他者の機密情報や専有情報を提供してはならない。個人情報またはIBM内部の情報とみなされる内容を発表、言及する場合は許可を得ること。
・承認を得ずに顧客、パートナー、サプライヤーを引き合いに出したり、言及したりしてはいけない。言及する場合においてはソースへのリンクを張る。
・間違いがあれば素早く訂正する。ただし過去の掲載内容を断りなく変更してはいけない。
・値打ちのある情報と見識を提供する。IBMのブランド価値は社員により示されると同時に、社員のブログの内容等がIBMのブランド価値を左右するものであることを忘れないこと。
〝声なき民〟という言葉があるが、今や一般の民も気楽手軽に発言できる時代だということを経営者は肝に銘じておくことが必要だ。

トレンドマイクロ社の調査結果(HPから引用)
対象:新社会人(2009年4月1日に就職予定の20歳以上310人)と社会人(20歳以上の正社員721人)

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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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第40回 災害時に役立つ消防庁のツイッター


第36回 各国で増殖するネット中毒
今年4月、愛知県豊川市で一家5人が死傷するという事件があった。
容疑者は引きこもり状態だった同家の長男(30歳)で、
インターネットの接続契約を家族が解約したことに
腹を立てての犯行だと伝えられている。
ネットショッピングやネットオークションで大量の買い物をしていたことから、
家族は長男を"買い物依存症"だとみなしていたようだが、
これはネット中毒/ネット依存症(英語ではIAD=Internet Addiction Disorder、
インターネットホリックともいう)の一種と考えるべきだろう。
ネットゲームにはまっている人を
ネトゲ中毒(重症の場合はネトゲ廃人)といったりするが、
それにならえば、さしずめネッショ中毒である。
インターネットの普及に伴ってネット中毒者が世界中で増えている。
日本より一足先にインターネットが普及した韓国のネット中毒者は
いまや200万人近く(全ネットユーザーの8.8%)にも達し、
大きな社会問題になっている。
世界最多となる3億人強の"網民"(ネットユーザー)を抱える中国の、
青少年のネット中毒者数は、
中国青少年インターネット協会の今年2月の発表によると、
この4年ほどで6倍に増えて約2400万人。
ネット中毒者の数においても世界最多であることは間違いない。
こうした状況を踏まえて、韓国も中国も国を挙げて
ネット中毒の予防ならびに治療に取り組んでいる。
韓国政府は今年3月、「インターネット中毒予防および解消総合計画」を発表した。
各年代を対象にしたネット中毒予防教育の強化、ネット中毒に関する相談窓口の増設、
ネットの利用時間を制限するソフトの無料配布等々によって2年後までにネット中毒率を
全ネットユーザーの5%以下にすることを目標にしている。
ネット中毒の治療にも熱心で、子供を対象にした政府主催の
"更生キャンプ"などというものも実施されている。
期間は12日間。この間ネット利用が禁止されるのはもちろん、
携帯電話の使用も1日1時間に制限される。
薬物中毒やアルコール中毒の患者の矯正施設で
実施されている軍隊式のハードなトレーニングもプログラムに組み込まれているという。
中国ではネット中毒が"繰り返しネットを使用することで
一種の精神障害をきたした状態"と定義づけられていることもあって、
国営のものも含め専門の治療施設が各地に存在するといわれている。
鍼治療や漢方薬による治療法を実施している施設があるとか、
何やら恐ろしげな電気ショック療法を採り入れている施設があるとか、
いや電気ショック療法は禁止されたらしいというような話が
ネット上で以前話題になったことがある。
アメリカにもかなりの数のネット中毒者が存在するはずだが、
米国精神医学界がネット中毒を精神疾患として認定していないためか、
中毒者数や治療施設などの実態ははっきりしない。
昨年9月、ネット中毒に特化した更生プログラムを提供する初の滞在型療養施設が
オープンしたことがCNNで報じられて話題になったくらいだから、
専門の治療施設はあまり存在しないのかもしれない
(全州に同様の施設があるという話もあるが定かではない)。
では日本はどうか?
日本ではネット中毒/ネット依存症の予防や治療態勢はまったく手つかずというのが現状。
早急な対応が望まれる。
■昨年9月、アメリカにオープンしたネット中毒者のための更生プログラムを提供する滞在型療養施設










