本誌人気コラムが「談」に登場!ブログ時評、Asablo(アサブロ)。評論家・滝田誠一郎が話題のブログ&ツイッターを総まくり トップに戻る

2010年12月

最終回 アルファブロガーで充実したブログライフを

「アルファブロガー」(alpha blogger)という言葉を聞いたことがあるだろうか? 直訳すると第一級のブロガーという意味になるが、実際には"影響力のあるブロガー"という意味で使われる。元々はアメリカで生まれた言葉だが、アメリカでは定着せず、"alpha blogger"といってもアメリカ人には通じないということを聞いたことがある。その意味では日本だけで通用する和製英語のようなものだといってもいいかもしれない。

 影響力のあるブロガーである以上、彼らが書いているブログに多くの人がアクセスすることはいうまでもないが、PV(ページビュー)数やUU(ユニークユーザー)数が多いブログを書いている人が即ちアルファブロガーかというと、そうではない。PV数やUU数の多い人気ブロガー=アルファブロガーではないのだ。それぞれの分野で他の追随を許さぬような尖った存在、一般の人の理解を超えた孤高の存在......アルファブロガーにはそんなイメージがある。実際のところ、アルファブロガーと呼ばれるのはそういう人たちだ。

 アルファブロガーを日本で唯一認定している団体がある。2004年以来、毎年アルファブロガー・アワードを開催、発表しているアルファブロガー運営委員会がそれだ。04年の第1回アルファブロガー・アワードに選ばれたのは、わずかに19人。以後、毎年20人弱のブロガーがアルファブロガーに選ばれ、これまでに同委員会によってアルファブロガーに認定されたブロガーは計90人弱。日本のブロガー人口が昨年1月時点で2700万人弱(総務省調べ)だから、アルファブロガーがいかに尖った存在、孤高の存在であるかがわかるというもの。

 アルファブロガーの中には堀江貴文・元ライブドア社長、タレントの中川翔子さん、元マイクロソフト日本法人会長の古川享さん(慶應義塾大学教授)ら有名人も含まれているが、そのほとんどは知る人ぞ知るネットの有名人で、一般的にはほとんど知られていない人たちだ。たとえば──。

「切込隊長BLOG(ブログ)」山本一郎さん (評)経済ネタや政治ネタ、野球から私生活まで幅広い分野のネタを扱い、そのどれもがとても鋭く、同時に魅力的な論考に仕上がっている。

「百式」田口元さん (評)1日1社、海外のドットコムサイトの"発想"を紹介している人気サイト。蓄積された発想のバリエーションと、安定した質の高い情報提供は他の追随を許さない。

「[N]ネタフル」コグレマサトさん (評)幅広いニュースをネタとして提供しているブログ。毎日のように大量の記事が投稿されて、その切り口と扱うネタの幅広さは既存のニュースサイトを置き換えてしまいそう。

「Ad Innovator」織田浩一さん (評)広告の近未来をアメリカの最新動向を元に解説しているブログ。広告に関する欧米の最新事情のニュースは、ここを見ておけば一通り把握することができる。
 アルファブロガーは特定の分野に特化した記事を独特の切り口で書いている人たちなので、その内容は決して万人受けするものではない。なので自分なりの興味関心、感性にあったアルファブロガーを見つけることが大事。そんなアルファブロガーを何人か見つけることができれば、あなたのブログライフはぐっと充実したものになるというものだ。

アルファブロガー・アワード(上)と「[N]ネタフル」(下)のトップページ

アルファブロガー.JPG

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネタフル.JPG

第65回 ツイッターの次はFacebookだ!

 今年に入って Facebook(フェイスブック)という言葉を見聞きする機会が多くなった。7月には会員数が全世界で5億人を突破したことがネット中心に大きな話題になった。10月にはツイッター・ブームの立役者でもある経済評論家の勝間和代さん、歌手の広瀬香美さんが相次いでFacebookに公式ページを開設し、それがまたネットで格好の話題になった。11月には英国王室が公式ページを開設したことがテレビなどでも報じられ、広く一般の人たちの耳目を集めた。来年1月にはFacebookの創設者であるマーク・ザッカーバーグCEO(1984年生まれ)を主人公にした映画「ソーシャル・ネットワーク」が公開されるため(米国では今年10月公開)、Facebookという言葉を見聞きする機会がさらに多くなるはず。少し前にツイッターが大きなブームになったばかりだが、ここへ来て流れはFacebookに向かっているようにも見える。もっとも世界的に見ればその流れはすでに顕著、というか決定的ともいえるのだが。

 Facebookは現在70カ国語以上に翻訳されて世界中でサービスを展開しており、ロシアや中国、ブラジル、日本など一部の例外を除くほとんどの国でナンバー1ソーシャルメディア(ブログやSNS、ツイッターなどの総称)の座を得ている。米国ではネットの全ページビューのおよそ4分の1(24.27%)がFacebookへのアクセスで占められているという調査結果も出ている。2位のYouTubeが6.39%、3位のGoogleが5.32%であるから、Facebookのページビューがダントツに多いことがわかる。このことからだけでも、今やFacebookがネットの中核的存在になっていることがよくわかる。

 Facebookの魅力はいったいどこにあるのか? 勝間和代さんは"ユーザーとして気持ちのいい感覚を作りだしているところが秀逸"だと自身のブログに書いている。具体的には、原則として実名登録であるFacebookは相手の顔や名前がわかるのでリアルの対面に感覚がより近いこと、そしてもうひとつ、操作性と機能がずば抜けている点をあげている。実際に会ったときにも「他のSNSに比べてケタ違いに高性能。びっくりした」といっていたことを思い出す。

 11月に大幅な機能刷新が発表されたばかりの『メッセージ』(Messages)は、Facebookのずば抜けた操作性と機能性を語る上でまさにうってつけだ。同機能を使うとFacebook上でのメッセージの送受信だけでなく、ネット上でやりとりされる様々なメッセージ(電子メール、携帯メール、チャット等)を簡単な操作ですべて一元管理することができるようになる。Facebookのアカウント@facebook.comのアドレスさえ持っていれば、それだけでネット上のあらゆるコミュニケーションに対応できるということだ。Facebookがさらに普及し、世界中の人がメッセージ機能を使うようになれば、電話も電子メールも必要のない時代が来るとザッカーバーグCEOは示唆する。

 日本においては実名登録に対する抵抗感があり、日本語化がまだ不十分であることからGREE(7月末時点の会員数2125万人)やmixi(同2102万人)に大きく後れを取っているが(現在200万人弱)、日本語化がもう一段進めば急速に普及が進むのは間違いない。ツイッターの次はFacebookを要チェック!だ。

 

Facebookの英国王室公式ページ(上)と、創設者マーク・ザッカーバーグ氏のページ(下)


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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
ブログ「わたし、ブログ評論家です。」http://ameblo.jp/blog-hyoron
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第64回 当たる競馬予想ならコレ!!

・第142回天皇賞(秋)→3連複的中!
・第48回アルゼンチン共和国杯→馬連的中!
・第35回エリザベス女王杯→3連複的中!
・第27回マイルチャンピオンシップ→ハズレ
・第30回ジャパンカップ→馬連的中!

 最近1カ月の「スゴ馬」の予想結果だ。プロの競馬評論家たちがしのぎを削るスポーツ紙の予想にも引けをとらない堂々の予想結果といっていいだろう。

「スゴ馬」はブログに書かれた競馬予想を独自の解析方法で算出し、毎週〝スゴ馬ブログ予想〟として発表しているサイトである。サイトを運営しているのは株式会社きざしカンパニーというユニークな社名の会社であり、競馬の予想に威力を発揮しているのは同社が開発したkizasiサーチエンジンである。総勢約1000万人のブロガーが書いた2億強の投稿記事の中から毎日約25万の投稿記事を自動的に収集し、そこに記されているすべての言葉を約10分ごとに時系列で解析することができるシステム、それがkizasiサーチエンジンだ。

「ブログの登場によって発信されるようになった生活者の情報を効率的に収集、解析することを目的に開発したのがkizasiサーチエンジンです。開発した当初は解析結果を何に使えるかもわからなかったのですが、24時間ごとにホットなワードを抽出してみたところ、週末になるとカタカナのワードでダァ~と埋め尽くされることに気がついた。何だろうと思ったら競走馬の名前だった(笑)。自分のブログで競馬の予想をしている人がものすごくたくさんいるということがわかった。これは何かコンテンツになりそうだとピンときた」(稲垣陽一きざしカンパニー専務)

 競馬の予想をしているブログを何万、何十万と集めて予想結果を集計しただけでは、単なるオッズと変わりがない。そこで同社は一工夫凝らした。

「競馬の予想をしている数十万人のブロガー一人一人の過去の戦績を解析してそれぞれ的中率を導き出し、的中率のいいトップ300人を選び、その人たちの予想を集計したものをスゴ馬ブログ予想として発表することにしたのです。この一連の作業をkizasiサーチエンジンがすべて自動的に処理しているのです」(稲垣専務)

 このような工夫を凝らしたスゴ馬ブログ予想がよく当たるのは、統計学的に見ても当然といっていいのだろう。

「人気のあるGⅠレースのように競馬ファンが一斉に書き込みをすればするほど的中率は高くなります。逆にマイナーなGⅡレースやGⅢレースだと書き込みが少ないので的中率が下がる。またトップ300人の集合知になりますので、大穴はなかなか当たらない。ただ、倍率50倍、60倍くらいまでの中穴の的中率はかなり高い。本命ガチガチの鉄板レースは間違いなく取れます。スゴ馬ブログ予想どおりに賭けていれば、年間を通して少なくともトントン以上の成果を上げることができます」(藤森和彦メディアプロデューサー)

「スゴ馬」はkizasiサーチエンジンの機能の一部を具現化したものにすぎない。その機能を活用すれば日々投稿される膨大な量のブログから世の中の様々な兆しを読みとることができる。たとえばファッションに関する書き込みを収集・解析して、次のシーズンの流行を予想するとか。アイデアしだいで面白いコンテンツが次々に生まれてきそうだ。

 

「スゴ馬」のトップページ(http://kizasi.jp/topic/sugouma/) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャパンカップの予想結果 (http://kizasi.jp/topic/sugouma/20101128

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』
『長靴を履いた開高健』など。
ブログ「わたし、ブログ評論家です。」http://ameblo.jp/blog-hyoron
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