本誌人気コラムが「談」に登場!ブログ時評、Asablo(アサブロ)。評論家・滝田誠一郎が話題のブログ&ツイッターを総まくり トップに戻る

第53回 求人もツイッターの時代に

 2011就職戦線では、ツイッターを利用して採用活動を行った会社がネットで話題になった。価格比較サイトなどを運営するECナビの宇佐美進典(しんすけ)社長は、今年1月16日ツイッターでこうつぶやいた。[ECナビでは2011新卒採用人数は10名の予定ですが、ツイッター経由でのみ募集予定。詳細は来週に]。翌週21日につぶやいた詳細は以下の通り。[2011卒業の方、かつtwitterアカウントで10名以上のフォロワーがいる方を対象に社内見学&若手懇談を2月上旬に開催します。参加希望の方はRTで「ECナビ入りたい!」で]
 
 フォロワーとは登録読者のこと。友だち同士でフォローしあえば10人くらいのフォロワーはわけなく集まるので、これ自体は有って無きがごとき条件といえる。RTは返信を意味する。宇佐美社長のつぶやきはネットニュースで取り上げられたこともあり、1月28日には学生からのRTが予定していた100件に達し、その時点で応募は打ち切られた。
 
 ネット広告大手サイバーエージェントの藤田晋(すすむ)の追加募集始めました。RT歓迎です!詳しくは今書いた私のブログで→]。→のあとに記されたURLをクリックすると藤田社長のブログに飛び、そこにエントリー用のURLとログイン後に必要となるパスワードが記されている。このURLとパスワードを知っている学生だけが応募できる仕組みだ。あえてこのような仕組みを採り入れた理由は、通常の採用方法だと学生が殺到しすぎるからだと藤田社長は自身のブログに書いている。人気企業ならではの贅沢な悩みだ。
 
 新卒採用にツイッターやブログを利用するケースはまだ少ないが、中途採用やアルバイトの採用にツイッターやブログを使うことは今や珍しいことではない。そういえば週刊朝日編集部も、公式サイト「談」で配信する動画番組のアシスタントを少し前にツイッターで募集していたっけ。
 
 コストをかけずに、必要なときにタイムリーに募集をかけることができるツイッターやブログを利用する企業は、これからどんどん増えていくに違いない。単に募集するだけにとどまらず、それらを使って応募者を選別する企業も増えることが予想される。たとえばECナビはフォロワー10人以上を応募条件にしていたが、世界最大の家電量販店ベスト・バイ(米)が09年にシニアマネージャーを募集したときは、ツイッターのフォロワー250人以上が応募条件の一つになっていた。250人ものフォロワーは一朝一夕に集められるものではないので、この応募条件はかなり厳しい。
 
 アメリカでは応募者名をググって(グーグルで検索すること)採否の参考にしている企業も少なくないという。応募者が日頃ブログに何を書いているか、ツイッターでどのようなことをつぶやいているかを調べ、それによって人物評価を行い、採否の判断材料にするわけだ。
 
 ググっても何もヒットしないのもまた問題。ネットを使いこなしていない、ネット・リテラシーが低いと判断されてしまうからだ。そうしたことを判断するために、履歴書にブログのURLやツイッターのアカウントを書かせる企業が登場するのも、そう遠いことではなさそうだ。 

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・新卒採用の情報を載せる宇佐美社長のブログ画面(上、1月27日)
藤田社長のブログ画面(下、3月15日)

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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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