第49回 ツイッターで市民と対話
千葉市の熊谷俊人市長は8月10日、ツイッター版市民対話会を開いた。〈市の財政と健全化への取り組み〉というテーマでツイッターを使って市民と対話をしようという、おそらくは全国初の試みだ。全国最年少(1978年2月18日生まれ。32歳)の若い市長らしい新たな試みである。
ツイッターには特定のテーマに関する不特定多数の投稿をまとめて一覧表示するハッシュタグ(#タグ)機能がある。今回の試みはこの機能を利用したもので、当日は#chiba^n0810というハッシュタグが使われた。意見や質問を140字以内でまとめ、その文章のどこかに#chiba0810と書き加えて投稿すれば、対話会で発言したり、市長に質問したりすることができる仕組みだ。
ユニークな対話会を企画した意図を熊谷市長は次のように話す。「市政に関心の薄い若い世代の声を行政が把握すると同時に、若い世代が市政に触れる機会になればと思い、ツイッターが適していると判断しました」
事前に千葉市のホームページにツイッター版市民対話会の実施要項、テーマについての理解を深めるための関係資料、またツイッターの利用法などをアップして周知徹底を図り、そうして迎えた8月10日午後9時、[では開始いたします。]という熊谷市長の投稿を合図にツイッター版市民対話会はスタートした。最初の45分間は熊谷市長が質問し、それに応えて市民が思い思いに投稿をするという形で進められた。市長[財政健全化の一環として、他市と比べて安価な料金であった公共施設について、来年4月から有料化や料金見直しを行いますが、これについてのご意見をお聞かせ下さい。] 市民[市の財政状況を考えれば当然の事と思います。] 市民[有料化、料金が高くなった分が市民全体に還元されるのなら、よいと思います。]といった具合。最後の15分間は逆に市民の質問に市長が答える形で投稿が繰り返され、予定通り10時にツイッター版対話会は終了した。
初の試みとあって市長も市民も戸惑っている様子が投稿から読みとることができた。140字の制限があるため、思うように意見を述べることができないまどろっこしさも感じ取れた。しかし、終わってみればそれなりの対話が図れたように感じられたし、そこに新たな可能性も感じられた。「手探りではありましたが、ある程度、想定通りの対話会ができたと考えています。対話会を通して、多くの方が市政に関心を持つきっかけを得たことが一番の成果だと思います。行政としても、普段接することの少ない層の意見の大勢を知ることができ、参考になりました。今後もこうした取り組みを通して市民が市政を考え、そして意見をみんなで言いあう雰囲気ができるといいですね」(熊谷市長)
今後はツイッターにとどまらず、リアルタイムに動画を配信することができるUSTREAMを使った対話会なども検討していくと熊谷市長はいう。
ちなみに熊谷市長へのインタビュー依頼、ならびにインタビューそのものもすべてツイッターを使って行った。熊谷市長には一度もお会いしてないし、電話で話してもいない。メールのやりとりもなし。これもまた全国初の試みだと思う。変則的なインタビューに応じてくれた熊谷市長に、この場を借りて改めてお礼申し上げる。
■熊谷市長のツイッター画面(上)と、ブログ画面(下)。


市民対話会では、1時間で263ツイート、79アカウントの人が参加した
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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