本誌人気コラムが「談」に登場!ブログ時評、Asablo(アサブロ)。評論家・滝田誠一郎が話題のブログ&ツイッターを総まくり トップに戻る

第46回 ビジネスになるブログ術を学べ!(後編)

 gooブログ(運営会社:NTTレゾナント)で1位、2位を争う人気ブログだった「池田信夫blog」は、2009年11月末、ライブドアに引き抜かれる形で同社が運営するライブドアブログへと、その舞台を移す。これを境に池田信夫さん(1953年生まれ/経済学者)にとってブログは「半ば仕事」になる。
「僕のブログに貼り付けてあるバナー広告などの収入はすべてライブドアにあげて、その代わりにライブドアとの間で年間契約を結んで一定の収入が入ってくるようにした。考えようによっては僕はライブドアの契約社員みたいなものですよ。そういう立場でブログを書いている。だから、僕のブログは趣味やボランティアで書いているわけではなくて、半分は仕事で書いているようなもの。それだけで食っていけるほどのお金はもらっていないけど、原稿料としては活字媒体に書くよりもいいくらい」

 池田さんが編集長を務めるオピニオンサイト「アゴラ」も同様の年間契約をライブドアと結んでいる。ひとつのブログを複数のメンバーで運営できるグループブログ機能を利用した「アゴラ」は、年間契約料の中から原稿料を捻出して各分野の専門家に原稿を依頼し、マスメディアでは書けない話題を記事にしたり、マスメディアよりハイレベルな記事を揃えて人気を博している。
「最初は投稿だけでやってみたんだけど、さすがに投稿だけでは記事が揃わない。みんな気が向いたときにしか投稿してくれないから。それではメディアとしては辛いので、ライブドアと契約をし、契約料から原稿料を捻出するビジネスモデルを採り入れた。収支はトントンといったところ」

ブログ運営会社と年間契約を結ぶというビジネスモデルを採り入れたのは、「アゴラ」を既存のマスメディアを凌駕するようなメディアに育てたいという思いがあればこそ。

 アメリカには既存のメディアを凌駕するようなブログメディアが存在する。たとえば〝インターネット新聞〟を標榜する「ハフィントン・ポスト」、内外の面白ネタを紹介して大人気の「Boing Boing」、IT関連のニュースブログ「テッククランチ」などは「影響力の大きさにおいても、クオリティーの高さにおいても既存のマスメディアに近づいている」と池田さんは評す。
「ところが日本にはきわめて個人的な日記のようなブログや趣味のブログしかない。それではまずいだろうと。『ハフィントン・ポスト』まではいかなくとも、それに近いメディアを作りたいという思いではじめたのが『アゴラ』なんです」

 マスメディアとソーシャルメディアが共存し、互いに補完し合う関係ができあがってこそ、健全な言論が発達するというのが池田さんの持論だ。
「ソーシャルメディアが台頭してくるとマスメディアがぜんぶダメになるみたいな論調があるけど、そんなことはない。ただし今のマスメディアは表現の幅がものすごく狭くなっていて、これでは多様な言論を生かすことができない。その点、ブログをはじめとするソーシャルメディアは自由に表現できるので、多様な言論を活発に戦わすことができる。だから両方が共存し、補完し合うことが大事」

 

アゴラ.JPG

■「アゴラ」
http://agora-web.jp

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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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