本誌人気コラムが「談」に登場!ブログ時評、Asablo(アサブロ)。評論家・滝田誠一郎が話題のブログ&ツイッターを総まくり トップに戻る

2010年8月

第50回 飼い主をメロメロにする猫

 今回のゲストは猫のうに君(♂05年4月19日生まれ)。アメリカンショートヘアとチンチラのハーフで、写真を見ればわかるとおり、かなりのイケメン猫だ。飼い主のうにまむさんによれば手触りはモフモフ、プニプニしていて最高に気持ちよく、性格はいつもテンション高めで、やんちゃでいたずら好きだという。そんなうに君が大好きで、うにまむさんはもうメロメロ。
 
 うに君にメロメロになっているのは、うにまむさんだけではない。実はうに君、多くのファンを持つ有名猫なのである。うに君を主人公にしたブログ「うにの秘密基地」のランキングがその人気を物語っている。会員数1000万人超を数えるアメーバブログの7月の月間総合ランキングで18位、同じアメーバの猫ブログランキングでは1位(1万8102人参加。8月22日付)、46万4233人(同日付)が参加しているにほんブログ村の総合ランキング1位(猫ブログランキングももちろん1位)といった具合。多くのファンに支持されていればこそのランキング結果である。


1.jpg

■猫としては初登場のうに君

 ブログの人気に目をつけた出版社から声がかかり、08年に『うにの秘密基地』、09年には『うにの秘密基地 ママとの暮らし編』が出版されている。今年10月には3冊目の写真集が出版される予定だ。写真集のみならず「うにの秘密基地」というDVDも発売中。また09年、10年と2年続けて「うにの秘密基地」カレンダーも販売されている。テレビ「笑っていいとも!」でうに君の動画が紹介されたこともあるという。引っ張りだこの大人気なのだ。

うに.jpg

■「うにの秘密基地」

 うに君の成長記録を残そうと思ってブログをはじめた頃、うにまむさんはまさかうに君がこんな人気者になるとは思ってもいなかった。それどころか他人が飼っている猫の成長記録なんて誰も読まないだろうと思っていたので、ブログをはじめたことは家族にも友人にも秘密にしていた。秘密基地というタイトルをつけたのはそういう意味もあってのこと。ところが開始早々からジワジワと人気が出はじめ、右肩上がりでグングン人気が上がり続け、やがて人気に火がつく。今現在の1日のページビューは平均して13万~14万PV、1カ月では420万PVに達する。1人平均10PVとして毎日1万数千人が、平均5PVとすれば毎日2万数千人もの人が「うにの秘密基地」を見ている計算になる。
 
 人気の秘密がうに君のかわいらしさにあることはいうまでもないが、そう公言するのは親バカを自認するうにまむさんでもはばかられるようで、「どうして人気があるのか正直よくわからない」とはぐらかすように笑う。「うにの日常の姿をそのまま撮った写真を見て、猫を飼っている人は〝そうそう、うちの子も同じ〟と共感してくれたり、猫を飼っていない人は自分も猫と一緒に生活しているような気になれるのかもしれない」(うにまむさん)
 
 ちなみに、うにまむさん同様、ペットの名前にママ/マムをつけてネット上のハンドルネーム(ニックネーム)にしている女性がたくさんいる。私の知り合いにもムーという猫を飼っているムーママさんとか、クンタという犬を飼っていたクンタママさんなどがいる。男性がムーパパとかクンタパパというハンドルネームを使っているケースは記憶にないので、これは女性特有の傾向、ペットを我が子のようにかわいがる母性の表れといえそうだ。

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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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第49回 ツイッターで市民と対話

 千葉市の熊谷俊人市長は8月10日、ツイッター版市民対話会を開いた。〈市の財政と健全化への取り組み〉というテーマでツイッターを使って市民と対話をしようという、おそらくは全国初の試みだ。全国最年少(1978年2月18日生まれ。32歳)の若い市長らしい新たな試みである。
 
 ツイッターには特定のテーマに関する不特定多数の投稿をまとめて一覧表示するハッシュタグ(#タグ)機能がある。今回の試みはこの機能を利用したもので、当日は#chiba^n0810というハッシュタグが使われた。意見や質問を140字以内でまとめ、その文章のどこかに#chiba0810と書き加えて投稿すれば、対話会で発言したり、市長に質問したりすることができる仕組みだ。
 
 ユニークな対話会を企画した意図を熊谷市長は次のように話す。「市政に関心の薄い若い世代の声を行政が把握すると同時に、若い世代が市政に触れる機会になればと思い、ツイッターが適していると判断しました」
 
 事前に千葉市のホームページにツイッター版市民対話会の実施要項、テーマについての理解を深めるための関係資料、またツイッターの利用法などをアップして周知徹底を図り、そうして迎えた8月10日午後9時、[では開始いたします。]という熊谷市長の投稿を合図にツイッター版市民対話会はスタートした。最初の45分間は熊谷市長が質問し、それに応えて市民が思い思いに投稿をするという形で進められた。市長[財政健全化の一環として、他市と比べて安価な料金であった公共施設について、来年4月から有料化や料金見直しを行いますが、これについてのご意見をお聞かせ下さい。] 市民[市の財政状況を考えれば当然の事と思います。] 市民[有料化、料金が高くなった分が市民全体に還元されるのなら、よいと思います。]といった具合。最後の15分間は逆に市民の質問に市長が答える形で投稿が繰り返され、予定通り10時にツイッター版対話会は終了した。
 
 初の試みとあって市長も市民も戸惑っている様子が投稿から読みとることができた。140字の制限があるため、思うように意見を述べることができないまどろっこしさも感じ取れた。しかし、終わってみればそれなりの対話が図れたように感じられたし、そこに新たな可能性も感じられた。「手探りではありましたが、ある程度、想定通りの対話会ができたと考えています。対話会を通して、多くの方が市政に関心を持つきっかけを得たことが一番の成果だと思います。行政としても、普段接することの少ない層の意見の大勢を知ることができ、参考になりました。今後もこうした取り組みを通して市民が市政を考え、そして意見をみんなで言いあう雰囲気ができるといいですね」(熊谷市長)
 
 今後はツイッターにとどまらず、リアルタイムに動画を配信することができるUSTREAMを使った対話会なども検討していくと熊谷市長はいう。
 
 ちなみに熊谷市長へのインタビュー依頼、ならびにインタビューそのものもすべてツイッターを使って行った。熊谷市長には一度もお会いしてないし、電話で話してもいない。メールのやりとりもなし。これもまた全国初の試みだと思う。変則的なインタビューに応じてくれた熊谷市長に、この場を借りて改めてお礼申し上げる。

■熊谷市長のツイッター画面(上)と、ブログ画面(下)。

熊谷氏ツイッター.jpg

熊谷氏ブログ.jpg

市民対話会では、1時間で263ツイート、79アカウントの人が参加した

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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
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第48回 意外なあの人がツイッターで大人気!

 ツイッターのユーザー数が今年4月、全世界で1億人を突破し、最近は毎日約30万人のペースで増加中だという。7月には日本のユーザー数が1000万人を超えた。また8月には、ツイッターでのつぶやき(書き込み)数が全世界で200億件を突破したことが明らかになった。100億件を突破するのに06年7月のサービス開始から3年以上要したのに、その後わずか5カ月弱でさらに100億件ものつぶやきが上積みされたわけで、ツイッター人気が急加速していることがわかる。ちなみに日本発のつぶやきは毎日約800万件(全世界の約12%に相当)にのぼるそうだ。

 日本の1000万ユーザーの中でもっとも人気がある──すなわちもっともフォロワー(登録読者)数が多いのは誰か?これが実に何とも意外なことにガチャピンなのである。フジテレビ系の子供番組「ポンキッキ」シリーズで人気を博したキャラクター(南国生まれの恐竜の男の子という設定)だ。そのフォロワー数は実に74万4828人(8月9日現在、以下同)を数える。さほど頻繁につぶやいているわけでもなければ(つぶやき数396)、つぶやく内容も別に面白いわけではない。「今日のおやつはシュークリームだよーん♪」「ぼくはおうちなう。みんなはまだお仕事なう?」「あめ玉をごっくんしちゃった。みんなも気をつけてね。」等々。なぜ74万人強もの人がフォローしているのか、はっきりいってその理由がさっぱりわからない。

 そのガチャピンと一時期フォロワー数をめぐって一騎打ちを演じ、5月下旬にはトップに立ったこともあるのが鳩山由紀夫前首相だ。〝支持率低迷に悩む首相だが、つぶやきでは人気者だ〟などと揶揄されたりしたものだ。直後の6月2日の退陣表明後もフォロワー数がさほど減っておらず、いまも2位をキープしているのはこれまた意外である。

 恐竜の子ども、宇宙人に次いで3番目にフォロワー数が多いのは、これまたかなり意外な人物だ。森田悠介さんがその人。フォロワー数は52万8319人。といっても「あ~あの人か!」と思い当たる読者はほぼ皆無だろう。ツイッターのユーザーであっても、彼をフォローしている53万人弱以外の人にとってはまったく無名の存在なのだから無理もない。なぜそのような人物が53万人弱のユーザーにフォローされるようになったのか? 

同じ疑問を持った有名ブロガーのコグレマサトさんが調べたところ、ツイッター英語版の〈おすすめユーザー〉に森田さんのツイッター・アカウントが登録されたことで世界中からフォロワーが殺到し、爆発的にフォロワー数が増えたことが判明。ただし、なぜ英語版の〈おすすめユーザー〉に登録されたのかは森田さん自身も心当たりはまったくないそうだ。システム・エラーだったのではないかという声もあるとか。

 4位はネット上で絶大な人気を誇る堀江貴文ライブドア元社長で、フォロワー数52万5747人。5位はソフトバンクの孫正義社長で同51万6354人。このあたりは順当な結果といえる。いずれは意外性のある上位3人(2人と1匹?)を抜いて、この2人が1位、2位を争うことになるのだろう。


■ガチャピンのツイッター

ガチャピンツイッター.jpg

■ツイッター/フォロワー数ランキング

  名前          アカウント           フォロワー数    つぶやき数
1 ガチャピン   GachapinBlog   74万4828人  396件
2 鳩山由紀夫 hatoyamayukio 66万9251人  191件
3 森田悠介    moooris            52万8319人  6万5065件
4 堀江貴文    takapon_jp        52万5747人 7957件
5 孫正義       masason          51万6354人  2037件

meyou.jp(ミーユー)調べ http://meyou.jp/ranking/follower_allcat 8月9日現在

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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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第47回 ゆるさが魅力の婚活4コマ

 30代独身女性が描く婚活ブログ「4コマ漫画 早子(はやこ)先生の婚活白書」が人気だ。ブログの主人公でもある立木早子さん(ニックネーム)は田舎の小学校に勤務する先生。厳格な父と楽天家の母との実家暮らしは平穏かつ円満であり、仕事は充実していて毎日が楽しい。貯金もそこそこあり、幸せだと思う。なのにフッとした瞬間に物悲しさを感じることがある。そんな心の隙間を埋めてくれたのが、早子先生の場合は漫画でありブログだった。

「去年の2月か3月頃、放課後だったんですけど、職員室で、周りに誰もいなくて、校庭にも生徒が一人もいなくて、そのときにフッと物悲しさを覚えたというか、きっと女の人にはあるんですよね、月に1回そういうことが。毎日が楽しくてすごく充実しているのに、でも今日の続きが明日で、毎日がずっとその繰り返しで、一度しかない人生それでいいんだろうかって。そう思ったときに、なぜか漫画を描きたいなと思ったんです」

 小さい頃から熱心に漫画を描いたり読んだりする漫画少女だったわけではない。にもかかわらず急に漫画を描きたいと思った心理を、早子先生自身うまく説明できないようだが、理屈はどうあれ、フッとそう思ってしまったのだから仕方がない。ブログで公開することを前提に、すぐさま漫画を描きはじめる。

「せっかく漫画を描く以上は、やっぱり誰かに読んでもらいたいなというのがあって、暇つぶしに誰かに読んでもらえたらうれしいなと思って、じゃあブログをやってみようかなと。軽い気持ちではじめました」

 1日1本ずつ漫画をアップするとして1カ月分の漫画30本をまず描き貯めて、09年5月31日ブログがスタートする。

 タイトルに〝婚活白書〟とうたっているが、漫画の主人公である早子先生も、ブログの描き手である現実の早子先生も、さほど結婚願望が強いわけでもなければ、焦っているわけでもない。そのあたりのゆる~い感じがこのブログの持ち味であり魅力になっている。「いつまでに結婚したいとか、そういうことは考えていないですね。何がなんでも結婚しなければという気持ちもないですし。私自身は結婚はあくまでもご縁があれば~という感じなので、あわてたり焦ったりということはありません。私みたいにのんびりしている人もいるのだから、〝もっとリラックスして大丈夫よ〟〝結婚のことばかり気にしないでのんびりいきましょう〟というメッセージを、婚活中の読者の方に届けられたらうれしいですね」

 婚活ブログを描いていることは、両親にも、友人にも、職場の同僚にも、誰にも話していない。しかし、今回Asabloにインタビュー記事が載るのを機に、週刊朝日の愛読者である両親にはブログのことを打ち明けるつもりだと早子先生。

「週刊朝日に載ったら両親はすごく喜ぶと思う。私もようやく親孝行ができます」

 さて、ご両親の反応はいかに?

「4コマ漫画 早子先生の婚活白書」

(左)性格分析 (右)各自乾杯
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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第46回 ビジネスになるブログ術を学べ!(後編)

 gooブログ(運営会社:NTTレゾナント)で1位、2位を争う人気ブログだった「池田信夫blog」は、2009年11月末、ライブドアに引き抜かれる形で同社が運営するライブドアブログへと、その舞台を移す。これを境に池田信夫さん(1953年生まれ/経済学者)にとってブログは「半ば仕事」になる。
「僕のブログに貼り付けてあるバナー広告などの収入はすべてライブドアにあげて、その代わりにライブドアとの間で年間契約を結んで一定の収入が入ってくるようにした。考えようによっては僕はライブドアの契約社員みたいなものですよ。そういう立場でブログを書いている。だから、僕のブログは趣味やボランティアで書いているわけではなくて、半分は仕事で書いているようなもの。それだけで食っていけるほどのお金はもらっていないけど、原稿料としては活字媒体に書くよりもいいくらい」

 池田さんが編集長を務めるオピニオンサイト「アゴラ」も同様の年間契約をライブドアと結んでいる。ひとつのブログを複数のメンバーで運営できるグループブログ機能を利用した「アゴラ」は、年間契約料の中から原稿料を捻出して各分野の専門家に原稿を依頼し、マスメディアでは書けない話題を記事にしたり、マスメディアよりハイレベルな記事を揃えて人気を博している。
「最初は投稿だけでやってみたんだけど、さすがに投稿だけでは記事が揃わない。みんな気が向いたときにしか投稿してくれないから。それではメディアとしては辛いので、ライブドアと契約をし、契約料から原稿料を捻出するビジネスモデルを採り入れた。収支はトントンといったところ」

ブログ運営会社と年間契約を結ぶというビジネスモデルを採り入れたのは、「アゴラ」を既存のマスメディアを凌駕するようなメディアに育てたいという思いがあればこそ。

 アメリカには既存のメディアを凌駕するようなブログメディアが存在する。たとえば〝インターネット新聞〟を標榜する「ハフィントン・ポスト」、内外の面白ネタを紹介して大人気の「Boing Boing」、IT関連のニュースブログ「テッククランチ」などは「影響力の大きさにおいても、クオリティーの高さにおいても既存のマスメディアに近づいている」と池田さんは評す。
「ところが日本にはきわめて個人的な日記のようなブログや趣味のブログしかない。それではまずいだろうと。『ハフィントン・ポスト』まではいかなくとも、それに近いメディアを作りたいという思いではじめたのが『アゴラ』なんです」

 マスメディアとソーシャルメディアが共存し、互いに補完し合う関係ができあがってこそ、健全な言論が発達するというのが池田さんの持論だ。
「ソーシャルメディアが台頭してくるとマスメディアがぜんぶダメになるみたいな論調があるけど、そんなことはない。ただし今のマスメディアは表現の幅がものすごく狭くなっていて、これでは多様な言論を生かすことができない。その点、ブログをはじめとするソーシャルメディアは自由に表現できるので、多様な言論を活発に戦わすことができる。だから両方が共存し、補完し合うことが大事」

 

アゴラ.JPG

■「アゴラ」
http://agora-web.jp

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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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