第33回 官公庁ビックリバイト体験(前編)
インタビューは名刺交換からはじまった。
名刺交換そのものは日常茶飯の儀礼だが、
一般のブロガーに名刺をもらったのは初めてだったのでちょっと驚いた。
釣り好きの人が〈釣師・○田○郎〉、趣味でギターを弾いている人が〈ギタリスト・×山×夫〉
という名刺を持っているようなもので、
そういう人物には滅多にお目にかかれるものではない。
名刺の中央に〈4コマまんが・イラストレーター きんとと〉の文字がひときわ大きく印刷され、
その上にブログのタイトル〈きんととの官公庁ビックリバイト体験4コママンガ
『すべては県民のために。これが県庁公務員』〉(略して官公庁のバイトさん)、
下に〈Japan Blog Award 2009 総合グランプリ受賞〉の文字とブログのURL、
さらに得意のイラストがカラーで印刷されている。裏面には4コマ漫画も印刷されている。
きんととさんによれば、ブロガーが名刺を持つことはさほど珍しいことではないという。
多くの読者を持つ人気ブロガーはそれが肩書になり得るほどの社会的存在であり、
社会的人格を形成しているということなのだろう。
「官公庁のバイトさん」がスタートしたのは2008年1月14。
市役所、第三セクター、そして県庁で計6年間アルバイトをした体験をもとに、
善良なる公務員の姿を4マ漫画で表現したブログだ。
記念すべき1目の4コマは、県庁のアルバイトの採用面接で
バツイチ母子家庭(当時)の窮状を訴えるきんととさんが、
"可哀そうだから"という理由で採用されるエピソードが描かれている。
「ブログをはじめたら、自分の描いた4コマがインターネットで世界中に配信されて、
大勢の人に見てもらえるんだみたいな幻想を抱いていたんですが、
現実はそんなに甘くなくて、しばらくの間は誰にも見てもらえなくて落ち込みました」
より多くの人に読んで欲しい一心から「家事や育児の時間を削って」までブログに打ち込むようになり、
その甲斐あってきんととさんのブログはじきに人気ブログの仲間入りを果たし、
ランキング上位の常連になり、ついには「Japan Blog Award 2009」の
総合グランプリ受賞の快挙を達成するまでになる。
しかし、その裏で昨年きんととさんはブロガーとしての転機を迎えていた。
県庁でアルバイトをしていたときに知り合って再婚した会社員のご主人が病気で休職に追い込まれ、
その最中に巨額の赤字を出した会社が大規模なリストラ策を打ち出したことがきっかけだった。
「このときは、休職している主人なんか真っ先にリストラの対象にされちゃう、
もうダメだと思ってウルウルしてました」
幸いご主人はリストラされることもなく、病気も治って現在は元気に復職しているが、
ご主人の病気とリストラ騒動をきっかけに、きんととさんはブログのランキングに
一喜一憂することをやめようと決意する。
家事や育児時間まで削ってブログに熱中していたことを反省し、
もっと気楽にブログと付き合うようにしようと思い改めるのである。(つづく)
■「官公庁のバイトさん」
http://ameblo.jp/kintoto-kankouchou/


■滝田誠一郎ブログ「私、ブログ評論家です。」
http://ameblo.jp/blog-hyoron











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