最終回 アルファブロガーで充実したブログライフを
「アルファブロガー」(alpha blogger)という言葉を聞いたことがあるだろうか? 直訳すると第一級のブロガーという意味になるが、実際には"影響力のあるブロガー"という意味で使われる。元々はアメリカで生まれた言葉だが、アメリカでは定着せず、"alpha blogger"といってもアメリカ人には通じないということを聞いたことがある。その意味では日本だけで通用する和製英語のようなものだといってもいいかもしれない。
影響力のあるブロガーである以上、彼らが書いているブログに多くの人がアクセスすることはいうまでもないが、PV(ページビュー)数やUU(ユニークユーザー)数が多いブログを書いている人が即ちアルファブロガーかというと、そうではない。PV数やUU数の多い人気ブロガー=アルファブロガーではないのだ。それぞれの分野で他の追随を許さぬような尖った存在、一般の人の理解を超えた孤高の存在......アルファブロガーにはそんなイメージがある。実際のところ、アルファブロガーと呼ばれるのはそういう人たちだ。
アルファブロガーを日本で唯一認定している団体がある。2004年以来、毎年アルファブロガー・アワードを開催、発表しているアルファブロガー運営委員会がそれだ。04年の第1回アルファブロガー・アワードに選ばれたのは、わずかに19人。以後、毎年20人弱のブロガーがアルファブロガーに選ばれ、これまでに同委員会によってアルファブロガーに認定されたブロガーは計90人弱。日本のブロガー人口が昨年1月時点で2700万人弱(総務省調べ)だから、アルファブロガーがいかに尖った存在、孤高の存在であるかがわかるというもの。
アルファブロガーの中には堀江貴文・元ライブドア社長、タレントの中川翔子さん、元マイクロソフト日本法人会長の古川享さん(慶應義塾大学教授)ら有名人も含まれているが、そのほとんどは知る人ぞ知るネットの有名人で、一般的にはほとんど知られていない人たちだ。たとえば──。
「切込隊長BLOG(ブログ)」山本一郎さん (評)経済ネタや政治ネタ、野球から私生活まで幅広い分野のネタを扱い、そのどれもがとても鋭く、同時に魅力的な論考に仕上がっている。
「百式」田口元さん (評)1日1社、海外のドットコムサイトの"発想"を紹介している人気サイト。蓄積された発想のバリエーションと、安定した質の高い情報提供は他の追随を許さない。
「[N]ネタフル」コグレマサトさん (評)幅広いニュースをネタとして提供しているブログ。毎日のように大量の記事が投稿されて、その切り口と扱うネタの幅広さは既存のニュースサイトを置き換えてしまいそう。
「Ad Innovator」織田浩一さん (評)広告の近未来をアメリカの最新動向を元に解説しているブログ。広告に関する欧米の最新事情のニュースは、ここを見ておけば一通り把握することができる。
アルファブロガーは特定の分野に特化した記事を独特の切り口で書いている人たちなので、その内容は決して万人受けするものではない。なので自分なりの興味関心、感性にあったアルファブロガーを見つけることが大事。そんなアルファブロガーを何人か見つけることができれば、あなたのブログライフはぐっと充実したものになるというものだ。
アルファブロガー・アワード(上)と「[N]ネタフル」(下)のトップページ
第65回 ツイッターの次はFacebookだ!
今年に入って Facebook(フェイスブック)という言葉を見聞きする機会が多くなった。7月には会員数が全世界で5億人を突破したことがネット中心に大きな話題になった。10月にはツイッター・ブームの立役者でもある経済評論家の勝間和代さん、歌手の広瀬香美さんが相次いでFacebookに公式ページを開設し、それがまたネットで格好の話題になった。11月には英国王室が公式ページを開設したことがテレビなどでも報じられ、広く一般の人たちの耳目を集めた。来年1月にはFacebookの創設者であるマーク・ザッカーバーグCEO(1984年生まれ)を主人公にした映画「ソーシャル・ネットワーク」が公開されるため(米国では今年10月公開)、Facebookという言葉を見聞きする機会がさらに多くなるはず。少し前にツイッターが大きなブームになったばかりだが、ここへ来て流れはFacebookに向かっているようにも見える。もっとも世界的に見ればその流れはすでに顕著、というか決定的ともいえるのだが。
Facebookは現在70カ国語以上に翻訳されて世界中でサービスを展開しており、ロシアや中国、ブラジル、日本など一部の例外を除くほとんどの国でナンバー1ソーシャルメディア(ブログやSNS、ツイッターなどの総称)の座を得ている。米国ではネットの全ページビューのおよそ4分の1(24.27%)がFacebookへのアクセスで占められているという調査結果も出ている。2位のYouTubeが6.39%、3位のGoogleが5.32%であるから、Facebookのページビューがダントツに多いことがわかる。このことからだけでも、今やFacebookがネットの中核的存在になっていることがよくわかる。
Facebookの魅力はいったいどこにあるのか? 勝間和代さんは"ユーザーとして気持ちのいい感覚を作りだしているところが秀逸"だと自身のブログに書いている。具体的には、原則として実名登録であるFacebookは相手の顔や名前がわかるのでリアルの対面に感覚がより近いこと、そしてもうひとつ、操作性と機能がずば抜けている点をあげている。実際に会ったときにも「他のSNSに比べてケタ違いに高性能。びっくりした」といっていたことを思い出す。
11月に大幅な機能刷新が発表されたばかりの『メッセージ』(Messages)は、Facebookのずば抜けた操作性と機能性を語る上でまさにうってつけだ。同機能を使うとFacebook上でのメッセージの送受信だけでなく、ネット上でやりとりされる様々なメッセージ(電子メール、携帯メール、チャット等)を簡単な操作ですべて一元管理することができるようになる。Facebookのアカウント@facebook.comのアドレスさえ持っていれば、それだけでネット上のあらゆるコミュニケーションに対応できるということだ。Facebookがさらに普及し、世界中の人がメッセージ機能を使うようになれば、電話も電子メールも必要のない時代が来るとザッカーバーグCEOは示唆する。
日本においては実名登録に対する抵抗感があり、日本語化がまだ不十分であることからGREE(7月末時点の会員数2125万人)やmixi(同2102万人)に大きく後れを取っているが(現在200万人弱)、日本語化がもう一段進めば急速に普及が進むのは間違いない。ツイッターの次はFacebookを要チェック!だ。
Facebookの英国王室公式ページ(上)と、創設者マーク・ザッカーバーグ氏のページ(下)
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
ブログ「わたし、ブログ評論家です。」http://ameblo.jp/blog-hyoron
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第64回 当たる競馬予想ならコレ!!
・第142回天皇賞(秋)→3連複的中!
・第48回アルゼンチン共和国杯→馬連的中!
・第35回エリザベス女王杯→3連複的中!
・第27回マイルチャンピオンシップ→ハズレ
・第30回ジャパンカップ→馬連的中!
最近1カ月の「スゴ馬」の予想結果だ。プロの競馬評論家たちがしのぎを削るスポーツ紙の予想にも引けをとらない堂々の予想結果といっていいだろう。
「スゴ馬」はブログに書かれた競馬予想を独自の解析方法で算出し、毎週〝スゴ馬ブログ予想〟として発表しているサイトである。サイトを運営しているのは株式会社きざしカンパニーというユニークな社名の会社であり、競馬の予想に威力を発揮しているのは同社が開発したkizasiサーチエンジンである。総勢約1000万人のブロガーが書いた2億強の投稿記事の中から毎日約25万の投稿記事を自動的に収集し、そこに記されているすべての言葉を約10分ごとに時系列で解析することができるシステム、それがkizasiサーチエンジンだ。
「ブログの登場によって発信されるようになった生活者の情報を効率的に収集、解析することを目的に開発したのがkizasiサーチエンジンです。開発した当初は解析結果を何に使えるかもわからなかったのですが、24時間ごとにホットなワードを抽出してみたところ、週末になるとカタカナのワードでダァ~と埋め尽くされることに気がついた。何だろうと思ったら競走馬の名前だった(笑)。自分のブログで競馬の予想をしている人がものすごくたくさんいるということがわかった。これは何かコンテンツになりそうだとピンときた」(稲垣陽一きざしカンパニー専務)
競馬の予想をしているブログを何万、何十万と集めて予想結果を集計しただけでは、単なるオッズと変わりがない。そこで同社は一工夫凝らした。
「競馬の予想をしている数十万人のブロガー一人一人の過去の戦績を解析してそれぞれ的中率を導き出し、的中率のいいトップ300人を選び、その人たちの予想を集計したものをスゴ馬ブログ予想として発表することにしたのです。この一連の作業をkizasiサーチエンジンがすべて自動的に処理しているのです」(稲垣専務)
このような工夫を凝らしたスゴ馬ブログ予想がよく当たるのは、統計学的に見ても当然といっていいのだろう。
「人気のあるGⅠレースのように競馬ファンが一斉に書き込みをすればするほど的中率は高くなります。逆にマイナーなGⅡレースやGⅢレースだと書き込みが少ないので的中率が下がる。またトップ300人の集合知になりますので、大穴はなかなか当たらない。ただ、倍率50倍、60倍くらいまでの中穴の的中率はかなり高い。本命ガチガチの鉄板レースは間違いなく取れます。スゴ馬ブログ予想どおりに賭けていれば、年間を通して少なくともトントン以上の成果を上げることができます」(藤森和彦メディアプロデューサー)
「スゴ馬」はkizasiサーチエンジンの機能の一部を具現化したものにすぎない。その機能を活用すれば日々投稿される膨大な量のブログから世の中の様々な兆しを読みとることができる。たとえばファッションに関する書き込みを収集・解析して、次のシーズンの流行を予想するとか。アイデアしだいで面白いコンテンツが次々に生まれてきそうだ。
「スゴ馬」のトップページ(http://kizasi.jp/topic/sugouma/)
ジャパンカップの予想結果 (http://kizasi.jp/topic/sugouma/20101128)
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』
『長靴を履いた開高健』など。
ブログ「わたし、ブログ評論家です。」http://ameblo.jp/blog-hyoron
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第63回 ツイッターを使うなら勝間式で!(後編)
経済評論家・勝間和代さんはツイッター普及の立役者の一人だ。ツイッターに精通した勝間さんと、ツイッターのことは何も知らない歌手・広瀬香美さんとの掛け合い漫才風のツイート合戦が昨年夏以降ツイッター上で人気になり、ネットの話題になり、多くのマスコミで取り上げられ、ツイッター人気の起爆剤になった。ところが2人がツイッターをはじめた時期に着目すると面白いことに気がつく。広瀬さんがツイッターをはじめたのは09年7月19日。勝間さんが本格的にツイッターをはじめたのは7月17日。わずか2日しか違わないのだ。
「ツイッターのアカウントを取得したのは昨年2月頃。ツイッターの仕組みとかやり方とかを何も調べずにとりあえずつぶやいてみたのですが、シ~ンとしたままで何の反応もない。これは何じゃらほいと。そのまま放置してました」
その勝間さんがツイッターに目覚めるのが7月のこと。仕事で訪れたアメリカでの見聞がきっかけだった。「アメリカへ行ったらツイッターがすごく流行っているとみんないうわけです。オバマが大統領選の時に使ったとか、有名なスポーツ選手が休憩時間につぶやいているとか。なるほどそういう使い方をするものなのかということがわかったので、本気でやってみようと思ったんです」
興味を持ったことは集中して徹底的に探求するのが勝間流。持ち前のITリテラシーの高さもあって、アッという間にツイッターの様々な機能を使いこなすようになる。以来、情報の発信・収集ツールとして、勝間さんはツイッターを精力的に活用している。11月22日現在で1万7460ツイート、フォローしている人数2万3207人、フォローされている人数43万9239人という数字がそれを物語っている。昨年7月から今年11月までの間に1万7460回ツイートしたということは、1日平均35回ツイートした計算になる。「私にしてみれば、これくらいは普通」と勝間さんはいうが、かなりのツイート魔だ。44万人弱のフォロワー(登録読者)というのもすごい数字だが、勝間さんの人気を考えれば、これは納得できる。驚くのは勝間さん自身が2万人を超す多くの人をフォローしていることだ。
「フォローしている人が2万人いると、10%がオンラインだとしても常に2000人の声をサッと俯瞰することができます。世の中の出来事や動向を知ることができる。フォローしている人が2000人だとそうはいかないし、逆に10万人に増やしても大差がないと思うので2万人くらいかな、と」
勝間さんは最近Facebookに凝っている。例によって集中して徹底的に探求中だ。その勝間さんにブログ、ツイッター、SNS(Facebookなど)の中でお薦めのネット・コミュニケーション・ツールはどれか聞いてみた。「IT談議はとかくT(テクノロジー)のほうに偏りがちですが、大事なのはTよりもI(インフォメーション)。本人がどういう情報の発信、受信をしたいのかを考えて、一番効率的でコストのかからないプラットホームを選べばいいんです。これからはじめるのであれば、友人や好きな有名人が使っているツールを選ぶのがいいですね。それが一番面白いですから」
勝間さんのツイッターのトップページ
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』
『長靴を履いた開高健』など。
ブログ「わたし、ブログ評論家です。」http://ameblo.jp/blog-hyoron
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第62回 カツマー式ブログ活用術(前編)
経済評論家・勝間和代さんの話を聞いていて、「デジタルネイティブ」という単語が頭に浮かんだ。生まれたときからインターネットやパソコンのある生活環境で育った世代を指す言葉である。もちろん1968年生まれの勝間さんはデジタルネイティブ世代ではないが、コンピューターとの出会いは驚くほど早い。
「自分用のコンピューターを初めて買ってもらったのは13歳のとき。まだマイコンといわれていた時代です。それから2年に1回くらいずつ買い換えてもらってました。コンピューターオタク? いえ、私はコンピューターそのものに興味があるんじゃなくて、コンピューターがやってくれることに興味があるんですよ。非常に実用的ですから」
80年代半ばにニフティサーブやPC-VANがパソコン通信サービスを開始すると、当たり前のようにそれらを使いこなすようになる。
「大学に入ったとき(慶應義塾大学商学部、87年入学)にはすでにパソコン通信が存在していたので、じゃあつないでみようかと。1200ボー(=1200bps)の低速モデムでつないでメールをしたり、チャット(会話)したり、オフ会をしたり。アメリカのパソコン通信サービスに接続してボーッと使っていたら、月に5万円の通信料を請求されて死ぬかと思ったこともある」
ブログをはじめたのも早い。日本でブログサービスがはじまるのは2003年12月のこと。12月2日にニフティのココログ、19日にライブドアのライブドアブログがサービスを開始している。勝間さんがココログのサービスを使ってブログを開始するのは翌04年4月のこと。「日々の生活から起きていることを観察しよう!!」がそれだ。
「日記を中心にしたブログもどきみたいなサイトは99年から立ち上げてましたし、02年には専用のソフトを使ってブログも手作りしてました。手作りの大変さを知ってましたから、ブログサービスが登場したときはいろいろなことが簡単にできることに非常に感動しましたね。こんなに簡単ならば、みんながブログを書く時代が来るだろうと感じました」
ブログ「日々の生活から起きていることを観察しよう!!」は、日々、生活の中で起きていることを観察することで、メディアに頼ることなく時流の一歩先を読むことを目的にしたブログ。勝間さん自身はこのブログを〝長文ブログ〟と呼ぶ。1回1回の記事がかなりの長文になっているからだ。たとえば10月20日付のフェイスブックに関する記事は3000字近い。11月4日付のハイチ訪問記もほぼ同じボリュームになっている。
これとは別に「私的なことがらを記録しよう!!」(05年2月~)というブログも書き続けている。3人の娘さんのことや日常の仕事の話などを中心に、ちょっとした面白いことをメモ代わりに書いているブログだ。
「07年に独立したとき、私のことを応援してくれたのがブログの読者たちでした。当時、ブログの固定読者は数百人だったと思いますが、その方々が私が書いた本を自分のブログで宣伝するなどして応援してくれたのです」
ブログは著述家・勝間和代の原点、起点ともいえるわけである。
カツマーこと勝間和代さん「私的なことがらを記録しよう!!」
kazuyomugi.cocolog-nifty.com/
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』
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第61回 浜崎あゆみCM出演の裏
10月2日にオンエアがはじまったソフトバンクモバイルのテレビCM(流しのAyu篇)で、歌手・浜崎あゆみがお父さん(北海道犬のカイ君)と念願の共演を果たした。
場面は、女将(室井佑月)が1人で切り盛りしている小料理屋。客はカウンターに座ったお父さんだけ。「雨、止まないわねぇ」(女将)、「止まない雨はない!」(お父さん)。そこへ流しの演歌歌手Ayuがギター弾き(演歌歌手・宮史郎)を伴って登場。「こんばんは。1曲いいですか?」(Ayu)、「流しか」(お父さん)。さっさと出て行けと手で合図する女将を「ま、いいじゃないか」と制すお父さん。「ありがとうございます。それじゃ新曲いきます」といって「ただの雨」を歌い出すAyu......というCMだ。
このテレビCM、そもそもの事の発端がかなり変わっている。今年6月4日、ツイッターをはじめて間もないAyuが面識のない孫正義ソフトバンク社長に向かって〈孫さーん〉(16:21)とつぶやき、その4時間後に孫社長が〈何ですか~っ?!〉(20:27)とつぶやき返したことから話が急展開しはじめるのである。〈始めまして、浜崎あゆみと申します。孫さんーっっっ!! 犬のお父さんと共演したいでございます。〉(Ayu 21:24)、〈やりましょう。〉(孫 23:53)
こんなやりとりがあった直後に、孫社長は広告の企画制作担当者らに〈○○ちゃん宜しくね~〉とつぶやき、話をどんどん進めていく。一方のAyuサイドはといえば、所属するレコード会社の社長であり、所属事務所の社長でもある松浦勝人氏が翌5日朝になってツイッターに登場し、〈私に関する事で、まさ(=松浦社長)が知らない事などない件〉(07:53)というAyuのつぶやきに応えて一言〈そう。〉(09:04)とつぶやき、一連のやりとりをすべて承知していることを明らかにした。
浜崎あゆみ自身がお父さんとの共演を熱望し、スポンサー企業の社長が「やりましょう。」と即OKし、所属事務所の社長がそれを追認したのだから、この時点でテレビCMへの出演は事実上決まったも同然。浜崎あゆみが〈孫さーん〉とつぶやいてからわずか17時間後のことである。ネットのコミュニケーション・ツールを活用した今どきのビジネスのありようを垣間見た思いだ。
浜崎あゆみ×お父さんのコラボCMはオンエア前からネット上で大きな話題になり、それもあってCM総合研究所が実施した10月前期のブランド別CM好感度調査でソフトバンクモバイルは1位になっている。これを記念してCM挿入歌「ただの雨」の無料ダウンロードが期間限定で実施され、さらに話題を盛り上げた。これもまたツイッター上での孫社長×松浦社長のつぶやきで決まったことである。
ちなみにソフトバンクのホームページでは孫社長がツイッターで「やりましょう」とつぶやいた事案のその後の進捗状況を一覧表にして公開している。11月8日現在で実行に移されたものは、浜崎あゆみ×お父さんのコラボCMを含めて67案件に達している。ソフトバンクショップでのiPhoneやiPadの無料充電サービス、海外パケット定額制(1日1480円)、スターバックスコーヒー店舗でのWi-Fi等々、みな孫社長の「やりましょう」の一言からはじまったサービスである。
ソフトバンクモバイルのCMの動画が見られるページ
(http://mb.softbank.jp/mb/special/ayu/)
と孫社長のつぶやきをまとめたページ
(http://do.softbank.jp/#done)
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』
『長靴を履いた開高健』など。
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第60回 内容もジャンルも充実の映画ブログ
12月1日は「映画の日」。1896年11月25日から12月1日にかけて神港倶楽部(神戸市)で日本で初めて映画が上映されたのを記念して1956年に制定された。ということで、今週は間近に迫った「映画の日」にふさわしいブログを、にほんブログ村の映画ブログ人気ランキングBEST50の中からピックアップしてみた。
6754人が参加している人気ランキング堂々の第1位は「シネマ走り書き」。無駄にたくさん映画を見ているというkionaさんは自らのブログを〈映画のレビューというよりは単なるメモ〉と謙遜するが、一方で"観賞より体験"との意味を込めて映画を「観る」ではなく 「見る」 と表記するこだわりの人でもある。その映画評はほどよく辛口。たとえば「理想の彼氏」というラブコメを取り上げたときは、そのタイトルに噛みついて〈この邦題・・ 型にハマった古くさいバブリーなセンス〉と切り捨てている。辛口ではあるが、あと味は悪くない。そこが人気の秘密なのだろう。
順位はグンと下がるが、20位の「アスカ・スタジオ」は今回イチオシのブログだ。1952年頃から60年近くにわたって映画鑑賞記を書き続けているというアスカパパさんのブログ。アイウエオ順に分類して紹介されている映画は実に1645本にもなる。スゴい!の一言に尽きる。60年弱にわたって映画鑑賞記を書き続けてきたことは、その映画評の中に脈々と息づいている。たとえば10月31日付のブログでは74年に公開された「狼は天使の匂い」を紹介しているが、同映画に登場する湖畔の紅葉のシーンに触れて次のように書いている。〈因みに過去の映画で最も印象に残る紅葉は、1956年2月26日。SY京映のパナビジョン・スクリーンに映えた「ハリーの災難」。こんな美しい紅葉画面をその後も見た事が無い。が、映画の紅葉は、ただ美しいだけでは物足りない。「あゝ野麦峠」(79)で、「兄さ、飛騨が見える」背中の妹最後の言葉には、野麦峠の紅葉も嗚咽して居た。この様な紅葉でなければ。と思う〉。60年弱の蓄積がなければ書けない文章である。往年の名画ファンにはたまらないブログだ。
映画ブログの中には、内容が充実していて完成度も高いのに、それが仇になっているブログも少なくない。詳細に内容を説明しすぎるためにネタバレになっていたり、ネタバレにはなっていなくてもストーリーがあらかたわかってしまって観る前に興味が半減してしまうようなブログだ。6位「すきなものだけでいいです」、8位「殿様の試写室」、14位「Cinema Cafe~シネマ・カフェ~」などだ。こういうブログは、映画を観たあとに読んだほうが、かえって面白いかもしれない。
BEST50の中には特定のジャンルの映画に特化したブログもある。もっとも目につくのはホラーやカルト映画。18位「デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて」、28位「Horrormen's BAR "REDRUM"」など。コアなファンが多いのだろう。レズビアン映画に特化した44位「LESBIAN CINEMA PARADISE」、ゲイ映画に特化した49位「ゲイ映画ベスト50?」などというブログもある。これはこれでまたコアなファンが多いということなのだろう。
ランキング1位の「シネマ走り書き」(上)と20位の「アスカ・スタジオ」のブログのトップページ
◆映画ブログ人気ランキング(上位50より選出)◆
1位 シネマ走り書き
6位 すきなものだけでいいです
8位 殿様の試写室
20位 アスカ・スタジオ
49位 ゲイ映画ベスト50?
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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第59回 一家離散、施設で育って...実話ブログ
ブログ「ぬるく愛を語れ!」の主人公・さりの半生は波瀾万丈に富んでいる。1歳から9歳までは児童養護施設で過ごした。小学校4年のときにバラバラに暮らしていた家族が集まり、"家族ごっこ"がはじまる。が、それも束の間、小学校5年のときに再び一家は離散。さりは両親と離れて父方の実家に預けられ、いつも不機嫌な伯母と意地悪ないとこたちと暮らすことになる。そんな居候生活も1年と続かず、さりはやもめ暮らしの父の元へと送られる。自堕落な父親、訳ありの愛人......ここにもさりの居場所はなかった。そして13歳のとき、今度は母親に引き取られ、新たな生活がはじまることになる──。
まるでTVドラマ(それも韓ドラ)か少女漫画にありそうな話だが、すべては実話に基づくノンフィクションである。主人公のさりは「ぬるく愛を語れ!」を描き続けているりさりさん(30代女性)自身。りさりさんの実体験を赤裸々に綴った私小説的ブログなのである。
自らの半生を振り返り、記憶を掘り起こす作業はときに大きな苦痛を伴う。話がどんどん重くなり、その重さに耐えられずに「だれか止めて~」とブログ上で悲鳴を上げることもある。それでも漫画を描き続けるのは、1人でも多くの人に知って欲しいことがあるからだ。
「施設育ちというと"反社会的、愛情不足の問題児、親への恨み"など一般的にステレオタイプな印象から偏見を持つ方が多いと思います。私の母でさえそうでした。それもあって母との関係には随分悩みました」
「知らないことに関して人は想像上のモンスターを産みやすいと思います。でも、実際はごくごく普通の子供たちなんです。ただ、大人の愛情を引き出す術を知らない不器用な子供たちなので、誤解されがちなだけで」
「そんな子供たちの気持ちに、私を通して触れて欲しいと思っています。全体の代弁者というわけではなく、私を入り口にしてもらえればと」
「子供と暮らすことを望みながら叶えられなかった母を描くことで、家族と共に暮らせる何気ない日々が実はとても幸せなんだということを改めて考えてもらえればとも思っています」
「誰かのためといいながら、自分の存在意義を求めているだけの自己満足なのかもしれませんが──」
「ぬるく愛を語れ!」は人気のあるブログだが、読者が多い割には寄せられるコメントが少ない。内容が重いため、軽々にコメントを書き込むことができないのだろう。
「私のブログは内容が繊細なので、読者の共感をもっとも得にくいブログだと思っています。でも、私が語るよりも多くのことを読み取り、受け止めて、コメントをしてくれる人もいます。その意味では読者の反応は私の期待以上です。コメントを通してセラピーを受けているような気持ちになることもあります。私のブログは、そんな読者の皆さんのコメントも含めて一つの作品になっていると思います」
「ぬるく愛を語れ!~webマンガに挑戦!~」
http://ameblo.jp/sweetcocoamilk/


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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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第58回 可能性感じる"エロ歌人"
■外に出すのが愛なのか中で出すのが愛なのか迷って出した
■それなりに心苦しい 君からの電話をとらず変える体位は
歌人、ブログ歌人、ときにエロ歌人を名乗る佐々木あららさん(36歳)の代表作だ。
ブログ歌人という肩書は、あららさんの歌人としての出自を物語っている。まったく興味のなかった短歌をあららさんが作りはじめるのは2004年のこと。歌人・枡野浩一さんが主宰していた短歌投稿ブログ「枡野浩一のかんたん短歌blog」への投稿がきっかけだった。「03年に自分のブログを立ち上げたのですが、そのブログのアクセス数を増やしたくて短歌を投稿しはじめた。短歌が採用されると枡野さんがリンクを張ってくれるので」
03~04年当時、あららさんは体調を崩して仕事(東京大学先端科学技術研究センター特任研究員)を休職し、半ば引きこもりのような生活を送っていた。結局そのまま退職することになり、ほぼ同時に離婚も経験する。公私にわたるダメージから立ち直るためのリハビリを兼ねてはじめたのがブログであり、ブログのアクセス数を増やす一つの手段としてはじめたのが短歌だったというわけだ。
「小さい頃から文章を書くのが好きだったこともあって、短歌を作りはじめたら新たな文章の創作活動が面白くて夢中になった。すぐに作った短歌を自分のブログで発表するようになり、冗談半分で日本でただ1人のブログ歌人を名乗るようになった」
エロ歌人という肩書?は、あららさんの作品の一つの方向性を示している。「短歌を作りはじめた頃、なぜか性愛をテーマにした歌の評判が高かった。あっけらかんとセックスを歌う男の歌人はほとんどいないので、そっちの方向でやってみたらどうだと枡野さんにアドバイスされたりして、僕自身そういうのは嫌いじゃないし、ポンポン作れちゃうので、なんとなくそっちの方向に進んでしまったという感じですね。それ以外の短歌も多いんですが、基本的には女にだらしがない駄目な男というキャラクターで、それが僕の実態なのかどうかわかりませんが、そういう目線で歌を作っていきたいなとは思っています」
あららさんには"犬猿"の制作者、〝星野しずる〟の生みの親という肩書もある。犬猿とは、あららさんが一晩で作り上げた短歌の自動生成プログラム。これを使うとコンピューターが無関係な言葉を組み合わせて斬新なイメージの短歌を勝手にどんどん作り続ける。コンピューターが作った犬猿短歌の作者、それがあららさんが生みだしたヴァーチャル歌人、星野しずるだ。
「異なる二つの言葉を組み合わせて詩的飛躍のある作品を作る手法を二物衝撃といいます。僕はこの手法に頼って雰囲気だけで作られているような短歌には批判的なんです。そんなものは辞書をパラパラめくって単語を適当に組み合わせれば作れる。人間のクリエイティビティーはもっと違う方向につぎ込んで欲しいという僕なりの批判であり、メッセージを込めて作ったのが犬猿です」
ブログと短歌。これもまた二物衝撃といっていい組み合わせだ。この組み合わせから新たな短歌が生まれる可能性を感じる。
■佐々木あららさん

■「中で出すのが愛なのか」
http://ararara.exblog.jp/
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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第57回 ブログで稼ぐ!
1000万人を超える会員数を誇るアメーバブログを運営しているサイバーエージェントの藤田晋社長は、今から4年ほど前に自身のブログ「渋谷ではたらく社長のアメブロ」の中で次のように予言している。
〈近い将来、人気ブログを書く個人が、今とは桁違いの収入を得られる時代になるでしょう〉
〈単なる副収入という訳ではなく、個人でブログメディアを持ち、これを本業として生活する人も増えていくでしょう〉
4年後の今、藤田社長の予言は現実のものになりつつある。アフィリエイトやドロップシッピングで収入を得ている人、ブログに広告を貼り付けて収入を得ている人、ブログが書籍化されて印税収入を得る人などなど、さまざまな形でブログから収入を得ている人が少なからず存在する。ただし桁違いの収入を得ている人はごくごく少数にすぎないが。
アフィリエイトとは成果報酬型広告の一種。Amazonを例に取ると、たとえばAさんが『暴走検察』(上杉隆著)の書評を自分のブログに書き、同時にAmazonの『暴走検察』のページにリンクを張ったとしよう。Aさんのブログを訪れた読者が書評を読んで興味を覚え、リンクを辿ってAmazonに飛んで『暴走検察』を購入すると、AmazonからAさんに対して税抜き価格の3~8%(紹介料プランおよび紹介点数によって異なる)が支払われる。これがアフィリエイトの仕組みだ。
"アフィリエイトで月10万円の副収入"などという書き込みをネット上で見かけるが、実際にはそんなに儲かるものではない。紹介料ゼロということがざらであり、頑張っても年間数百~数千円という人が大半だろう。もちろん1日に1万人、2万人もの読者が押し寄せる超人気ブログになると、アフィリエイトの紹介料が年間数百万円になることもあるが、それは小飼弾さんや堀江貴文さん、池田信夫さんら超人気ブロガーに限った話。以前Asabloに登場いただいた池田さんは、アフィリエイトによる売り上げは「駅前の小さな書店と同じくらい」あり、その売り上げに対する紹介手数料は「ブルーカラーの年収くらい」といっていた。ざっと400万円前後!? ちなみに矢野経済研究所は2012年度のアフィリエイトの市場規模は1235億円に達すると予想している。
ドロップシッピングとは、ブログなどで商品を宣伝して注文を受け付け、注文が入ると製造業者や卸業者に取り次ぎ、業者のほうから直接商品を注文主に配送させるネットショップ運営の一形態。自分で設定した小売値と卸値との差額が収入になる。開業資金ゼロで、在庫を持たずにネットショップを開業できるのがドロップシッピングの大きな魅力だが、残念ながらドロップシッピングで大儲けしたという話は聞いたことがない。アフィリエイトにしろドロップシッピングにしろ、実際にはそう簡単に儲けることができるわけではないのだ。
総務省情報通信政策研究所がまとめた『ブログの実態に関する調査研究』(2009年)によると、アフィリエイトやドロップシッピングを主にした収益重視型のブログは全ブログの10.1%を占めるという。収益重視のブロガーが300万人近くいる計算だ。
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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第56回 「読書の秋」おススメのブログ
読書の秋にひっかけて今回はビジネス書のブログランキングを紹介しよう。ビジネス書に限った話ではないが、本のブログは大きく2つに分類することができる。書評ブログと読書感想ブログの2つだ。今回紹介するランキング(一覧参照)でいうと①②④が前者、③と⑤が後者に分類することができる。
ランキング1位の「マインドマップ的読書感想文」はamazonの内容紹介、目次、内容の抜粋、そして感想を書き加えるオーソドックスな書評ブログのスタイル。ブログで紹介した記事の人気ランキング、紹介した本の売り上げランキングなど、書評内容を客観視できるよう工夫している点が書評の信頼性を担保している。2位の「 ビジネス本でバージョンアップ2.0!」は紹介している本のおすすめ度を点数で、おすすめ内容を星印の数で示すなどの工夫が凝らしてある。視覚的なわかりやすさが読者に受けて好位置キープといったところか。
一方の読書感想ブログはピンキリの玉石混淆というのが正直なところだが、さすがに人気ランキングの上位に顔を出すようなブログは面白い。読み物としては書評ブログよりもずっと面白い。3位の「女子勉-ビジネス書の力で女性を元気にする!」はフリーのWEBデザイナーである勉子さんが働く女性のために書いているブログ 。5位の「ほぼ日blog~通勤読書で継続力を高めよう!~」は片道1時間45分の通勤時間を利用してハマの読書王子さんが読んだ本を紹介しているブログだ。
この2つのブログに共通している面白さは、単にビジネス書の読後感想を綴っているだけでなく、紹介しているビジネス書から何かを学ぼうとしている姿勢がはっきりとうかがえるところ。ビジネス書から得た気づきや知識をビジネスの場で実践し、成長し続けている様子までもがブログ全体から感じ取れるところが非常に興味深 い。
たとえば勉子さん。勉子さんは3年前まではビジネス書とはまったく無縁だった。ところがある日、「私って自分の脳力をちゃんと生かせてる?」とフッと思い、その答えが見つけたくて生まれてはじめて書店のビジネス書コーナーの前に立つのである。このとき勉子さんが手にしたのが『「1日30分」を続けなさい!』(古市 幸雄著)だった。この本を読んだのをきっかけにビジネス書で自己啓発に励む習慣が身に付き、「ビジネス書の面白さを多くの働く女子に伝えたい!」との思いからブログを立ち上げる。ビジネス書を読み続け、ブログを書き続けていくにつれて、勉子さんの世界がどんどん広がっていく様子が見て取れる。今年9月には『世界一わ かりやすい4コマビジネス書ガイド』という本も出版されている。
過去4年間に500冊のビジネス書を紹介してきたハマの読書王子さんの場合も、ブログを通して成長の跡をうかがい知ることができる。もし何らかの事情で転職するようなことがあったときには、このブログを志望企業の採用担当者に見せればいい。ハマの読書王子さんがいかに自己啓発に取り組んできたかが一目瞭然で、最高 のPR材料になるはずだ。
■「女子勉」(上)と「ほぼ日blog~通勤読書で継続力を高めよう!~」(下)のトップページ
■ビジネス書ブログランキング
1 マインドマップ的読書感想文
2 ビジネス本でバージョンアップ2.0!
3 女子勉-ビジネス書の力で女性を元気にする!
4 読書1万時間
5 ほぼ日blog~通勤読書で継続力を高めよう!~
※「人気ブログランキング 本・読書ブログランキング [ビジネス本]」(10月3日現在)から
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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第55回 都会の孤独を表現するポエム漫画
ブログ「東京の街に出て来ました」は4コマ漫画のスタイルこそ取っているが、それがそのまま叙情溢れる一編の詩になっている。朴訥(ぼくとつ)な絵と言葉、そしてセピア調の色彩が、都会の孤独を詩的に表現している。作者の垣内ひろしさんは、そんな自身の作品をポエム漫画、略してポエ漫と呼ぶ。自ら考え出した造語だ。「ブログをはじめてすぐに今のスタイルになって、ほんまにはじめて自分だけのものが作れているっていう実感があって、だけどこれはなんて呼べばええのかなと。漫画じゃないし、漫画詩というのもちょっと違うなと思って、じゃあポエ漫にしようと」
兵庫県出身。高校を卒業して数年は仲間たちとバンドを組み、プロを夢見て前衛的な日本語ロックを演奏していた。が、あるときフッとバンド活動に疑問を感じた。「バンドって何をするにしてもメンバーで話し合って決めるじゃないですか。そういうのって自分の性に合ってない。じゃあ自分一人でできることってなんやろか、と。そのときに閃(ひらめ)いたのが漫画だったんです。あ、ぼくは漫画が好きやって」
漫画は大好きで小さい頃から乱読していたが、自分で漫画を描いたことはなかった。漫画家になろうと思ったこともなかった。にもかかわらず垣内さんは「4コマ漫画くらいなら描けるかもしれん」と無謀にも思い込み、見よう見まねで4コマ漫画を描きはじめる。それが20代半ばのこと。「とりあえず4頁分描いて、これも無謀なんですけど、すぐに小学館に持ち込んだ。そうしたらすごい褒められたんですよ。絵は下手だけど面白いって。もっとたくさん描いて持ってきてくださいといわれて、持っていったら賞をもらった。『ヤングサンデー』の新人奨励賞みたいなのを。これやったら漫画家としてやっていけるかなと、ちょっと勘違いしまして(笑)」
これ以降、垣内さんは地元・兵庫でバイトをしながら4コマのギャグ漫画を描き、描いた作品を持って東京の出版社に売り込みに行くことを繰り返すようになる。意を決して上京したのは昨年10月のことだ。住まいは東京の西郊・八王子。家賃4万円のアパートを根城に、漫画を描くことと出版社回りに専念する生活をスタートさせた。上京するときにクルマを売って手にした数十万円の蓄えを当面の生活費に充てた。「部屋にこもって漫画描くだけですし、食費もキャベツばっか食べていてものすごく安くて、家賃含めて月に8万円あれば余裕で暮らせる(笑)」。まるで「神田川」や「赤ちょうちん」といったかぐや姫の歌が聞こえてきそうな暮らしぶりだ。そんな都会での一人暮らしをほぼ実話に基づいて描き続けている。「ポエ漫を描くようになってギャグ漫画はやめました。仮に注文があっても、もうギャグ漫画は描かない。自分にはポエ漫のほうが合っていると思うので、これからはポエ漫作家として生きていきたい」
上京して丸一年になるのを機に、垣内さんはいま新たなポエ漫ブログのテーマを模索している。

■「東京の街に出て来ました」
http://ameblo.jp/moimoi-com/
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
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第54回 1日約22万人が読む「あの女」
人気ブログ「あの女」を書き続けているゴマブッ子さん(男性)が、インタビュー当日に持ってきてくれた直近1カ月のアクセス数一覧を見て唖然とした。月間の総アクセス数(PV/ページビュー)が2307万5826件にも達しているからだ。内訳はパソコンからのアクセス数が約208万件、携帯からのアクセス数が約2100万件。アクセス者数(UU/ユニークユーザー数)は64万452人。これはパソコンからのアクセス者だけの数字。PV数から想像すると、携帯からのアクセス者数はざっと600万人ほどになる計算だ。
パソコンで「あの女」を読んでいる人が1日平均約2万人、携帯で読んでいる人が約20万人、合計のPV数が1日平均約77万に達すると書いたほうが、同ブログの人気のすさまじさを、より実感しやすいかもしれない。
人気に目をつけた出版社から声がかかり、これまでに2冊の本──『あの女』(07年8月、青山出版社)、『女のしくじり』(09年12月、ヴィレッジブックス)──が出版されている。1冊目は初版ほぼ完売、2冊目は現在7刷目で累計3万部近い売れ行きだというから成績は上々。2冊目の『女のしくじり』は読者からの反響も大きく、それがきっかけになってブログの内容が大きく変わった。
「それまでは身の回りにいる変な女、面白い女をネタにしたギャグっぽい文章を書いてました。ところが『女のしくじり』が出版されてからぽつぽつとお悩み相談のメールが送られてくるようになり、それに答えているうちに今のQ&A形式になったんです」
送られてくる悩み相談メールは1日に30~40通にもなる。圧倒的に多いのは20代の女性からの相談だが、10代半ばの少女や40代、50代の熟女からの相談もときおり混ざる。そのすべてに目を通して2~3通を選び、ブログで取り上げていいかどうかを本人に確認した上で回答を書き、ブログにアップする。毎日2時間近くかけてその作業を繰り返している。相談内容のほとんどは、恋愛がらみの男女間のいさかい、いざこざ、あれやこれや。「未婚の女性の場合は、付き合っている彼とのことがほとんどですね。なかなか関係が進展しないとか、彼の気持ちが分からないとか、喧嘩したとか。既婚の女性の場合は、夫の浮気や自分の不倫とか。なかにはかなり深刻な相談もありますが、相談者を必要以上に追いつめたり傷つけたりしないよう、またブログを読んだ人が気分を悪くしないようにということを考えて回答を書いています」
ちなみに〝ゴマブッ子〟というニックネームは「あの女」を書きはじめた頃に好きだった歌手の後藤真希(愛称ゴマキ)と俳優の妻夫木聡(愛称ブッキー)の名前に由来する。ブログのプロフィール欄には〝綺麗売りに大失敗したモテないゲイ日本代表〟とある。ゲイにとっては一人称が〈あたし〉、二人称が〈あんた〉、そして三人称が〈あの女〉なのだそうであって、ブログのタイトルはこのゲイ言葉から来ている。「ゲイだということは周囲にカミングアウトしていないので、だからブログを書いていることも誰にもいってません」──ということで今回顔写真が出せないのだが、実物のゴマブッ子さんはイラストよりもずっと素敵だということを一言付け加えておく。
「あの女」
ゴマブッ子さんの似顔絵
画=小迎裕美子さん
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
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第53回 求人もツイッターの時代に
2011就職戦線では、ツイッターを利用して採用活動を行った会社がネットで話題になった。価格比較サイトなどを運営するECナビの宇佐美進典(しんすけ)社長は、今年1月16日ツイッターでこうつぶやいた。[ECナビでは2011新卒採用人数は10名の予定ですが、ツイッター経由でのみ募集予定。詳細は来週に]。翌週21日につぶやいた詳細は以下の通り。[2011卒業の方、かつtwitterアカウントで10名以上のフォロワーがいる方を対象に社内見学&若手懇談を2月上旬に開催します。参加希望の方はRTで「ECナビ入りたい!」で]
フォロワーとは登録読者のこと。友だち同士でフォローしあえば10人くらいのフォロワーはわけなく集まるので、これ自体は有って無きがごとき条件といえる。RTは返信を意味する。宇佐美社長のつぶやきはネットニュースで取り上げられたこともあり、1月28日には学生からのRTが予定していた100件に達し、その時点で応募は打ち切られた。
ネット広告大手サイバーエージェントの藤田晋(すすむ)の追加募集始めました。RT歓迎です!詳しくは今書いた私のブログで→]。→のあとに記されたURLをクリックすると藤田社長のブログに飛び、そこにエントリー用のURLとログイン後に必要となるパスワードが記されている。このURLとパスワードを知っている学生だけが応募できる仕組みだ。あえてこのような仕組みを採り入れた理由は、通常の採用方法だと学生が殺到しすぎるからだと藤田社長は自身のブログに書いている。人気企業ならではの贅沢な悩みだ。
新卒採用にツイッターやブログを利用するケースはまだ少ないが、中途採用やアルバイトの採用にツイッターやブログを使うことは今や珍しいことではない。そういえば週刊朝日編集部も、公式サイト「談」で配信する動画番組のアシスタントを少し前にツイッターで募集していたっけ。
コストをかけずに、必要なときにタイムリーに募集をかけることができるツイッターやブログを利用する企業は、これからどんどん増えていくに違いない。単に募集するだけにとどまらず、それらを使って応募者を選別する企業も増えることが予想される。たとえばECナビはフォロワー10人以上を応募条件にしていたが、世界最大の家電量販店ベスト・バイ(米)が09年にシニアマネージャーを募集したときは、ツイッターのフォロワー250人以上が応募条件の一つになっていた。250人ものフォロワーは一朝一夕に集められるものではないので、この応募条件はかなり厳しい。
アメリカでは応募者名をググって(グーグルで検索すること)採否の参考にしている企業も少なくないという。応募者が日頃ブログに何を書いているか、ツイッターでどのようなことをつぶやいているかを調べ、それによって人物評価を行い、採否の判断材料にするわけだ。
ググっても何もヒットしないのもまた問題。ネットを使いこなしていない、ネット・リテラシーが低いと判断されてしまうからだ。そうしたことを判断するために、履歴書にブログのURLやツイッターのアカウントを書かせる企業が登場するのも、そう遠いことではなさそうだ。
・新卒採用の情報を載せる宇佐美社長のブログ画面(上、1月27日)
・藤田社長のブログ画面(下、3月15日)
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
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第52回 質の高い写真ブログ
当世デジカメ用語抄録──【コンデジ】コンパクト・デジタルカメラの略。【デジイチ】デジタル一眼レフカメラの略。デジ一と表記したりもする。イチデジという言い方もあるが少数派である。【カメラおやじ】中高年になった往年のカメラ小僧。【カメラ女子】写真に夢中になっている女性のこと。女子といっても年齢層は幅広い。【デジイチ女子】デジイチを使いこなすカメラ女子の進化系。時間的経済的に余裕のある中高年女子の間で増殖中。【写真ブログ】カメラおやじやカメラ女子、デジイチ女子が自分で撮った写真の発表の場として活用しているブログ。ブログ人気が出版社の目に留まり、写真集として出版される例も少なくない。以下、人気ブログランキングに参加している写真ブログ2193件の1~5位を紹介する。バラエティーに富んだ質の高いブログが揃っている。
◆1位「動物中心の写真日記」 多摩動物公園(東京・日野市)の動物たちを撮った写真が中心。なかでもお気に入りはユキヒョウ、チーター、トラといったネコ科の猛獣たち。ネコの仲間だと実感する可愛らしい表情や仕草と、肉食獣の野性を感じさせる精悍な表情と動作、その二面性を巧みに撮り分けているところに人気の秘密がありそうだ。
◆2位「徒然なるままに、、信州の四季自然風景」 長野県南部・伊那谷のほぼ中央に位置する駒ケ根市は、東に南アルプス(赤石山脈)、西に中央アルプス(木曽山脈)の3000メートル級の山々を市街地から望むことができる。そんな地の利を生かして、同市在住の会社員が四季折々の風景を撮り続けている。年間を通じて見続けていると、信州が自分の故郷であるかのような親近感を覚える。
◆3位「森ねこさん」 写真を撮り続けている寝子さん(仮名)は根っからの猫好き、折り紙付きの猫好きだ。猫のブリーダーとして17年の経験を持つ寝子さんは現在、東京都動物愛護推進員、NPO法人<CODE NUMTYPE=UC NUM=845B GLYPH=7652>飾区・江戸川区・地域ねこの会代表、「オールアバウト」の猫ガイドなどを務めている。ねこ観察家、ねこ写真家、ねこライターの肩書も持つ。肩書の数もさることながら、寝子さんが撮る猫の写真を見て、写真に添えられた文章を読むと、人並み外れた猫好きであることがひしひしと感じられる。
◆4位「スズメ三昧2」 スズメはもっとも身近にいる鳥だが、当たり前すぎて誰も注意を払わない鳥でもある。そんなスズメにレンズを向けたところが、着眼点としては何ともユニークであり、出色だ。レンズを通して子細に観察したスズメの表情は、まるで別の鳥を見ているような気がするほど新鮮だ。
◆5位「超高層マンション・超高層ビル」 自身が住む超高層マンションからの眺望や、次々に造られる国内外の超高層ビルや超高層マンションを被写体にして写真を撮り続けている中谷幸司さんのブログ。これまでに『超高層ビビル 日本編』『超高層ビビル2 香港・マカオ・深セン・広州・台湾』『超高層ビビル3 ドバイ編』という3冊の写真集が出版されている本格派だ。
「森ねこさん」http://morineko3.blog63.fc2.com/(上)
「超高層マンション・超高層ビル」http://bluestyle.livedoor.biz/(下)のトップページ
■人気写真ブログランキング(9月7日現在)
1.「動物中心の写真日記」
多摩動物公園のネコ科の猛獣を中心にした動物写真ブログ
2.「徒然なるままに、、信州の四季自然風景」
長野県駒ケ根市在住の地の利を生かした風景写真ブログ
3.「森ねこさん」
森の木の上で暮らしているネコとの交流を撮り続けているネコ写真ブログ
4.「スズメ三昧2」
スズメの表情、仕草を撮り続けているまさにスズメ三昧のブログ
5.「超高層マンション・超高層ビル」
日本はもとより海外にまで遠征して超高層ビルの写真を撮っているブログ
(人気ブログランキング「写真ブログランキング」から)
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
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第51回 哀愁と笑いのイラスト川柳
夢を叶えるための足がかりとして、世に出るための登竜門と考えて、ブログを更新し続けている人が少なからず存在する。同人誌に投稿したり、出版社に作品を持ち込む代わりにブログに作品を投稿し続けている小説家志望、漫画家志望のフリーターや主婦や会社員たち、芸能界デビューを夢見てブログを使った売り込みに懸命な若者たち等々。
札幌在住のフリーのイラストレーター、アカツキさん(34歳)もその一人。いつかは自分の作品集を出版したいという夢を叶えるために、ブログ「部長川柳」を毎日更新し続けている。「以前、部長のキャラを使った作品を某出版社の方に見ていただいた際に、〝面白いと思うけど今はそれだけじゃ出版はできないんだよね。100%売れるという裏付けがないと無理〟といわれて反骨心に火がついた。よし、自力で何とかしてやる、と。そう思ったのがブログをはじめたきっかけです」
2005年4月11日にスタートした「部長川柳」は、得意とする部長キャラに川柳を組み合わせた一コマ漫画。アカツキさん自身はこれを〝おっさんの習性と笑いのイラスト川柳〟と表現する。
「昔からおっさんのしぐさや、ふとした一言に笑ってしまう癖があって、おそらくぼくはおっさんの味とか哀愁、余韻が好きなんですね。おっさんと川柳は妙にマッチして、作品がびしっと締まる。その組み合わせを思いついたときに、これが自分にあったスタイルだと確信したというか。まさか、それから5年もの間、毎日川柳を作り続けることになるとは夢にも思っていませんでしたけど(笑)」
5年間ほぼ毎日「部長川柳」を更新し続けてきた甲斐あって、アカツキさんが生みだした部長キャラはいくつかの商品にもなっている。過去においてはポストカードに採用され、さっぽろテレビ塔地下のテレ地下ショップで販売されたこともある。札幌観光の定番スポットの一つなので、目にしたことがある人もいるかもしれない。
現在は「部長川柳あぶらとり紙」(全8種。1つ税込み378円)が発売されている。男性に売れるあぶらとり紙を考えていた企画会社の目に留まり、商品化されたもの。また今年7月には携帯電話の待ち受け画面などをカスタマイズするための「部長川柳きせかえツール」(税込み525円)も発売になった。同ツールをダウンロードすると、たとえば待ち受け画面には「部長川柳」の6つのバージョンがランダムに画面に表示されるようになる。東京の携帯用コンテンツの企画開発会社の社員が札幌を訪れた際に偶然「部長川柳」のポストカードを見て、それが縁できせかえツールが販売されることになったのだという。「これからも『部長川柳』の書籍化、連載化、グッズ化に向けてコツコツ頑張っていくつもりですので、よろしくお願い致します!」
ちなみに、部長キャラはあくまでもアカツキさんの創作であって、本人とはまったく似ていないそうだ。念のため付け加えておく。
■「部長川柳」 http://ameblo.jp/buchosen/
納豆だろ(左)、あ然(右)
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
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第50回 飼い主をメロメロにする猫
今回のゲストは猫のうに君(♂05年4月19日生まれ)。アメリカンショートヘアとチンチラのハーフで、写真を見ればわかるとおり、かなりのイケメン猫だ。飼い主のうにまむさんによれば手触りはモフモフ、プニプニしていて最高に気持ちよく、性格はいつもテンション高めで、やんちゃでいたずら好きだという。そんなうに君が大好きで、うにまむさんはもうメロメロ。
うに君にメロメロになっているのは、うにまむさんだけではない。実はうに君、多くのファンを持つ有名猫なのである。うに君を主人公にしたブログ「うにの秘密基地」のランキングがその人気を物語っている。会員数1000万人超を数えるアメーバブログの7月の月間総合ランキングで18位、同じアメーバの猫ブログランキングでは1位(1万8102人参加。8月22日付)、46万4233人(同日付)が参加しているにほんブログ村の総合ランキング1位(猫ブログランキングももちろん1位)といった具合。多くのファンに支持されていればこそのランキング結果である。

■猫としては初登場のうに君
ブログの人気に目をつけた出版社から声がかかり、08年に『うにの秘密基地』、09年には『うにの秘密基地 ママとの暮らし編』が出版されている。今年10月には3冊目の写真集が出版される予定だ。写真集のみならず「うにの秘密基地」というDVDも発売中。また09年、10年と2年続けて「うにの秘密基地」カレンダーも販売されている。テレビ「笑っていいとも!」でうに君の動画が紹介されたこともあるという。引っ張りだこの大人気なのだ。
うに君の成長記録を残そうと思ってブログをはじめた頃、うにまむさんはまさかうに君がこんな人気者になるとは思ってもいなかった。それどころか他人が飼っている猫の成長記録なんて誰も読まないだろうと思っていたので、ブログをはじめたことは家族にも友人にも秘密にしていた。秘密基地というタイトルをつけたのはそういう意味もあってのこと。ところが開始早々からジワジワと人気が出はじめ、右肩上がりでグングン人気が上がり続け、やがて人気に火がつく。今現在の1日のページビューは平均して13万~14万PV、1カ月では420万PVに達する。1人平均10PVとして毎日1万数千人が、平均5PVとすれば毎日2万数千人もの人が「うにの秘密基地」を見ている計算になる。
人気の秘密がうに君のかわいらしさにあることはいうまでもないが、そう公言するのは親バカを自認するうにまむさんでもはばかられるようで、「どうして人気があるのか正直よくわからない」とはぐらかすように笑う。「うにの日常の姿をそのまま撮った写真を見て、猫を飼っている人は〝そうそう、うちの子も同じ〟と共感してくれたり、猫を飼っていない人は自分も猫と一緒に生活しているような気になれるのかもしれない」(うにまむさん)
ちなみに、うにまむさん同様、ペットの名前にママ/マムをつけてネット上のハンドルネーム(ニックネーム)にしている女性がたくさんいる。私の知り合いにもムーという猫を飼っているムーママさんとか、クンタという犬を飼っていたクンタママさんなどがいる。男性がムーパパとかクンタパパというハンドルネームを使っているケースは記憶にないので、これは女性特有の傾向、ペットを我が子のようにかわいがる母性の表れといえそうだ。
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第49回 ツイッターで市民と対話
千葉市の熊谷俊人市長は8月10日、ツイッター版市民対話会を開いた。〈市の財政と健全化への取り組み〉というテーマでツイッターを使って市民と対話をしようという、おそらくは全国初の試みだ。全国最年少(1978年2月18日生まれ。32歳)の若い市長らしい新たな試みである。
ツイッターには特定のテーマに関する不特定多数の投稿をまとめて一覧表示するハッシュタグ(#タグ)機能がある。今回の試みはこの機能を利用したもので、当日は#chiba^n0810というハッシュタグが使われた。意見や質問を140字以内でまとめ、その文章のどこかに#chiba0810と書き加えて投稿すれば、対話会で発言したり、市長に質問したりすることができる仕組みだ。
ユニークな対話会を企画した意図を熊谷市長は次のように話す。「市政に関心の薄い若い世代の声を行政が把握すると同時に、若い世代が市政に触れる機会になればと思い、ツイッターが適していると判断しました」
事前に千葉市のホームページにツイッター版市民対話会の実施要項、テーマについての理解を深めるための関係資料、またツイッターの利用法などをアップして周知徹底を図り、そうして迎えた8月10日午後9時、[では開始いたします。]という熊谷市長の投稿を合図にツイッター版市民対話会はスタートした。最初の45分間は熊谷市長が質問し、それに応えて市民が思い思いに投稿をするという形で進められた。市長[財政健全化の一環として、他市と比べて安価な料金であった公共施設について、来年4月から有料化や料金見直しを行いますが、これについてのご意見をお聞かせ下さい。] 市民[市の財政状況を考えれば当然の事と思います。] 市民[有料化、料金が高くなった分が市民全体に還元されるのなら、よいと思います。]といった具合。最後の15分間は逆に市民の質問に市長が答える形で投稿が繰り返され、予定通り10時にツイッター版対話会は終了した。
初の試みとあって市長も市民も戸惑っている様子が投稿から読みとることができた。140字の制限があるため、思うように意見を述べることができないまどろっこしさも感じ取れた。しかし、終わってみればそれなりの対話が図れたように感じられたし、そこに新たな可能性も感じられた。「手探りではありましたが、ある程度、想定通りの対話会ができたと考えています。対話会を通して、多くの方が市政に関心を持つきっかけを得たことが一番の成果だと思います。行政としても、普段接することの少ない層の意見の大勢を知ることができ、参考になりました。今後もこうした取り組みを通して市民が市政を考え、そして意見をみんなで言いあう雰囲気ができるといいですね」(熊谷市長)
今後はツイッターにとどまらず、リアルタイムに動画を配信することができるUSTREAMを使った対話会なども検討していくと熊谷市長はいう。
ちなみに熊谷市長へのインタビュー依頼、ならびにインタビューそのものもすべてツイッターを使って行った。熊谷市長には一度もお会いしてないし、電話で話してもいない。メールのやりとりもなし。これもまた全国初の試みだと思う。変則的なインタビューに応じてくれた熊谷市長に、この場を借りて改めてお礼申し上げる。
■熊谷市長のツイッター画面(上)と、ブログ画面(下)。


市民対話会では、1時間で263ツイート、79アカウントの人が参加した
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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第48回 意外なあの人がツイッターで大人気!
ツイッターのユーザー数が今年4月、全世界で1億人を突破し、最近は毎日約30万人のペースで増加中だという。7月には日本のユーザー数が1000万人を超えた。また8月には、ツイッターでのつぶやき(書き込み)数が全世界で200億件を突破したことが明らかになった。100億件を突破するのに06年7月のサービス開始から3年以上要したのに、その後わずか5カ月弱でさらに100億件ものつぶやきが上積みされたわけで、ツイッター人気が急加速していることがわかる。ちなみに日本発のつぶやきは毎日約800万件(全世界の約12%に相当)にのぼるそうだ。
日本の1000万ユーザーの中でもっとも人気がある──すなわちもっともフォロワー(登録読者)数が多いのは誰か?これが実に何とも意外なことにガチャピンなのである。フジテレビ系の子供番組「ポンキッキ」シリーズで人気を博したキャラクター(南国生まれの恐竜の男の子という設定)だ。そのフォロワー数は実に74万4828人(8月9日現在、以下同)を数える。さほど頻繁につぶやいているわけでもなければ(つぶやき数396)、つぶやく内容も別に面白いわけではない。「今日のおやつはシュークリームだよーん♪」「ぼくはおうちなう。みんなはまだお仕事なう?」「あめ玉をごっくんしちゃった。みんなも気をつけてね。」等々。なぜ74万人強もの人がフォローしているのか、はっきりいってその理由がさっぱりわからない。
そのガチャピンと一時期フォロワー数をめぐって一騎打ちを演じ、5月下旬にはトップに立ったこともあるのが鳩山由紀夫前首相だ。〝支持率低迷に悩む首相だが、つぶやきでは人気者だ〟などと揶揄されたりしたものだ。直後の6月2日の退陣表明後もフォロワー数がさほど減っておらず、いまも2位をキープしているのはこれまた意外である。
恐竜の子ども、宇宙人に次いで3番目にフォロワー数が多いのは、これまたかなり意外な人物だ。森田悠介さんがその人。フォロワー数は52万8319人。といっても「あ~あの人か!」と思い当たる読者はほぼ皆無だろう。ツイッターのユーザーであっても、彼をフォローしている53万人弱以外の人にとってはまったく無名の存在なのだから無理もない。なぜそのような人物が53万人弱のユーザーにフォローされるようになったのか?
同じ疑問を持った有名ブロガーのコグレマサトさんが調べたところ、ツイッター英語版の〈おすすめユーザー〉に森田さんのツイッター・アカウントが登録されたことで世界中からフォロワーが殺到し、爆発的にフォロワー数が増えたことが判明。ただし、なぜ英語版の〈おすすめユーザー〉に登録されたのかは森田さん自身も心当たりはまったくないそうだ。システム・エラーだったのではないかという声もあるとか。
4位はネット上で絶大な人気を誇る堀江貴文ライブドア元社長で、フォロワー数52万5747人。5位はソフトバンクの孫正義社長で同51万6354人。このあたりは順当な結果といえる。いずれは意外性のある上位3人(2人と1匹?)を抜いて、この2人が1位、2位を争うことになるのだろう。
■ガチャピンのツイッター
■ツイッター/フォロワー数ランキング
名前 アカウント フォロワー数 つぶやき数1 ガチャピン GachapinBlog 74万4828人 396件
2 鳩山由紀夫 hatoyamayukio 66万9251人 191件
3 森田悠介 moooris 52万8319人 6万5065件
4 堀江貴文 takapon_jp 52万5747人 7957件
5 孫正義 masason 51万6354人 2037件 meyou.jp(ミーユー)調べ http://meyou.jp/ranking/follower_allcat 8月9日現在
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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第47回 ゆるさが魅力の婚活4コマ
30代独身女性が描く婚活ブログ「4コマ漫画 早子(はやこ)先生の婚活白書」が人気だ。ブログの主人公でもある立木早子さん(ニックネーム)は田舎の小学校に勤務する先生。厳格な父と楽天家の母との実家暮らしは平穏かつ円満であり、仕事は充実していて毎日が楽しい。貯金もそこそこあり、幸せだと思う。なのにフッとした瞬間に物悲しさを感じることがある。そんな心の隙間を埋めてくれたのが、早子先生の場合は漫画でありブログだった。
「去年の2月か3月頃、放課後だったんですけど、職員室で、周りに誰もいなくて、校庭にも生徒が一人もいなくて、そのときにフッと物悲しさを覚えたというか、きっと女の人にはあるんですよね、月に1回そういうことが。毎日が楽しくてすごく充実しているのに、でも今日の続きが明日で、毎日がずっとその繰り返しで、一度しかない人生それでいいんだろうかって。そう思ったときに、なぜか漫画を描きたいなと思ったんです」
小さい頃から熱心に漫画を描いたり読んだりする漫画少女だったわけではない。にもかかわらず急に漫画を描きたいと思った心理を、早子先生自身うまく説明できないようだが、理屈はどうあれ、フッとそう思ってしまったのだから仕方がない。ブログで公開することを前提に、すぐさま漫画を描きはじめる。
「せっかく漫画を描く以上は、やっぱり誰かに読んでもらいたいなというのがあって、暇つぶしに誰かに読んでもらえたらうれしいなと思って、じゃあブログをやってみようかなと。軽い気持ちではじめました」
1日1本ずつ漫画をアップするとして1カ月分の漫画30本をまず描き貯めて、09年5月31日ブログがスタートする。
タイトルに〝婚活白書〟とうたっているが、漫画の主人公である早子先生も、ブログの描き手である現実の早子先生も、さほど結婚願望が強いわけでもなければ、焦っているわけでもない。そのあたりのゆる~い感じがこのブログの持ち味であり魅力になっている。「いつまでに結婚したいとか、そういうことは考えていないですね。何がなんでも結婚しなければという気持ちもないですし。私自身は結婚はあくまでもご縁があれば~という感じなので、あわてたり焦ったりということはありません。私みたいにのんびりしている人もいるのだから、〝もっとリラックスして大丈夫よ〟〝結婚のことばかり気にしないでのんびりいきましょう〟というメッセージを、婚活中の読者の方に届けられたらうれしいですね」
婚活ブログを描いていることは、両親にも、友人にも、職場の同僚にも、誰にも話していない。しかし、今回Asabloにインタビュー記事が載るのを機に、週刊朝日の愛読者である両親にはブログのことを打ち明けるつもりだと早子先生。
「週刊朝日に載ったら両親はすごく喜ぶと思う。私もようやく親孝行ができます」
さて、ご両親の反応はいかに?
(左)性格分析 (右)各自乾杯


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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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第46回 ビジネスになるブログ術を学べ!(後編)
gooブログ(運営会社:NTTレゾナント)で1位、2位を争う人気ブログだった「池田信夫blog」は、2009年11月末、ライブドアに引き抜かれる形で同社が運営するライブドアブログへと、その舞台を移す。これを境に池田信夫さん(1953年生まれ/経済学者)にとってブログは「半ば仕事」になる。
「僕のブログに貼り付けてあるバナー広告などの収入はすべてライブドアにあげて、その代わりにライブドアとの間で年間契約を結んで一定の収入が入ってくるようにした。考えようによっては僕はライブドアの契約社員みたいなものですよ。そういう立場でブログを書いている。だから、僕のブログは趣味やボランティアで書いているわけではなくて、半分は仕事で書いているようなもの。それだけで食っていけるほどのお金はもらっていないけど、原稿料としては活字媒体に書くよりもいいくらい」
池田さんが編集長を務めるオピニオンサイト「アゴラ」も同様の年間契約をライブドアと結んでいる。ひとつのブログを複数のメンバーで運営できるグループブログ機能を利用した「アゴラ」は、年間契約料の中から原稿料を捻出して各分野の専門家に原稿を依頼し、マスメディアでは書けない話題を記事にしたり、マスメディアよりハイレベルな記事を揃えて人気を博している。
「最初は投稿だけでやってみたんだけど、さすがに投稿だけでは記事が揃わない。みんな気が向いたときにしか投稿してくれないから。それではメディアとしては辛いので、ライブドアと契約をし、契約料から原稿料を捻出するビジネスモデルを採り入れた。収支はトントンといったところ」
ブログ運営会社と年間契約を結ぶというビジネスモデルを採り入れたのは、「アゴラ」を既存のマスメディアを凌駕するようなメディアに育てたいという思いがあればこそ。
アメリカには既存のメディアを凌駕するようなブログメディアが存在する。たとえば〝インターネット新聞〟を標榜する「ハフィントン・ポスト」、内外の面白ネタを紹介して大人気の「Boing Boing」、IT関連のニュースブログ「テッククランチ」などは「影響力の大きさにおいても、クオリティーの高さにおいても既存のマスメディアに近づいている」と池田さんは評す。
「ところが日本にはきわめて個人的な日記のようなブログや趣味のブログしかない。それではまずいだろうと。『ハフィントン・ポスト』まではいかなくとも、それに近いメディアを作りたいという思いではじめたのが『アゴラ』なんです」
マスメディアとソーシャルメディアが共存し、互いに補完し合う関係ができあがってこそ、健全な言論が発達するというのが池田さんの持論だ。
「ソーシャルメディアが台頭してくるとマスメディアがぜんぶダメになるみたいな論調があるけど、そんなことはない。ただし今のマスメディアは表現の幅がものすごく狭くなっていて、これでは多様な言論を生かすことができない。その点、ブログをはじめとするソーシャルメディアは自由に表現できるので、多様な言論を活発に戦わすことができる。だから両方が共存し、補完し合うことが大事」

■「アゴラ」
http://agora-web.jp
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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第45回 アルファブロガーの人気の秘密(前編)
「池田信夫」の4文字を見て、すぐにピン!と来る人が週刊朝日の読者の中に果たしてどれだけいるだろうか? 意外に少ないのではないだろうか。
1953年生まれ。78年、東大経済学部を卒業してNHK入局。93年、NHK退職。国際大学GLOCOM助教授、同教授を経て、01年に独立行政法人経済産業研究所上席研究員。現・上武大学大学院経営管理研究科教授、SBI大学院大学客員教授。電子出版を手がけるアゴラブックスの代表取締役も務める。活字の世界では「池田信夫」はこのような経歴、肩書の持ち主として説明されることになるが、ネットの世界における「池田信夫」の説明はまったく異なる。大人気の「池田信夫blog」で知られるアルファブロガーであり、〝言論プラットフォーム〟を標榜するオピニオンサイト「アゴラ」の編集長であり、そしてツイッターにおいては[ikedanob]のアカウントで精力的につぶやいている経済学者──それがネットにおける「池田信夫」だ。
アルファブロガーとはネット世論の形成に強い影響力を持つ一握りのブロガーを指す和製英語。そのアルファブロガーの中でも池田さんは一目置かれている存在だ。ネットの世界では超有名人なのだ。主に政治、経済、IT絡みの記事を書いている「池田信夫blog」の読者は1日平均2万人、月間のページビュー(PV)は150万に達する。編集長を務める「アゴラ」の読者は1日約1万人、月間PVは約100万。ツイッターのフォロワー(=登録読者)数は7月19日現在で5万4303人を数える。
「僕自身、何でこんなにアクセスがあるのかわからない。別にわかりやすく親しみやすく面白く書いているわけじゃないし、どちらかといえばぶっきらぼうで、わからないヤツはわかんなくていいよという書き方なので。あえていうならば消去法だと思いますね。他に読むに値するブログがないから、情報として価値のあるブログがないから、その裏返しで僕のブログが読まれているということなのでしょう。僕自身、日本語で書かれたブログで定期購読しているものは一つもないですから」(池田さん)
なぜ読むに値する日本語のブログがないのか、そもそも池田さんにとって読む価値があるブログとはどのようなものなのだろうか。「政治、経済、社会、IT関係のニュースサイトを海外のものも含めて15くらい定期購読してる。ニュースサイトを読めば、その日の出来事とかそれに対する論評とかはわかる。なのでニュースサイトでは書けないこと、ニュースサイトではおよばない高いレベルのことを書いてあるのが僕にとっては読む価値のあるブログ。海外にはそういうブログが結構あるのに、残念ながら日本には存在しない。
なぜないのか。一言でいえば日本のブログは圧倒的に匿名のブログが多いから。誰が書いているのかわからない匿名のブログなんて情報源としてぜんぜん価値がないし、そもそもレベルが低い。僕自身はずっと実名でブログを書いているので、それがアクセス数につながっているのかもしれない」
(後編に続く)

■「池田信夫blog part2」
http://ikedanobuo.livedoor.biz/
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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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第44回 不用意な発言から会社を守れ!
社員がブログに書いた内部告発が原因で会社が経営の危機に瀕したり、ツイッターに投稿した不用意なつぶやきが原因で水面下で進んでいたM&A話がとん挫したり──というようなことがあっても何ら不思議ではない。だれもが自由に発言できるネット社会はそういうリスクも孕んでいる。
昨年3月にトレンドマイクロ社が発表した情報セキュリティー意識に関するアンケート結果は、社員一人ひとりがリスク因子になる可能性を示唆している。「登場する知人・友人の氏名や勤務先名が匿名であれば、会社での出来事をブログなどに書き込む行為を許せるか?」という設問に対し、社会人の回答者(20歳以上の正社員721人)の60.7%が「許せる」「やや許せる」と回答しているのだ(図1)。この結果を踏まえて、トレンドマイクロ社は個人として情報発信する場合のマナーやルール、業務に関わる情報の取り扱いなどに関する情報セキュリティー教育が急務であることがわかったとしている。それもそのはず。社名や部署名、個人名などが匿名であったとしても、内容を吟味すればそれらを特定することは可能であり、社名等が特定されれば冒頭に書いたようなリスクが現実のものになることもあり得るからだ。
こうしたリスクを回避するためには情報セキュリティー教育の実施と同時に明確なガイドラインを示すことが必要だが、実際には無防備な会社が少なくない。
今年4月、日本IBMは自社のウェブサイトに「ソーシャル・コンピューティング・ガイドライン」を公開した。2005年に米IBMが策定したガイドラインの日本語版で、ブログやSNS等で社員が個人的に情報発信する際に遵守すべきルールがまとめられている。日本企業にとっても手本になる内容なので、以下にその概略を紹介する。
・掲載した内容には個人的に責任を持つ。
・IBMに関連することを書く際には氏名を明らかにする。一人称を使って書き、書いた内容は個人的見解でありIBMの意見を代弁するものではないことを明確にする。
・IBMに関する話題をブログで公開する際には次のような免責文を入れる。「このサイトの掲載内容は私自身の見解であり、必ずしもIBMの立場、戦略、意見を代表するものではありません」
・人種に関連した中傷や特定の個人への侮辱、猥褻な内容、IBMに対する不利益行為などを禁止する。
・IBMおよび他者の機密情報や専有情報を提供してはならない。個人情報またはIBM内部の情報とみなされる内容を発表、言及する場合は許可を得ること。
・承認を得ずに顧客、パートナー、サプライヤーを引き合いに出したり、言及したりしてはいけない。言及する場合においてはソースへのリンクを張る。
・間違いがあれば素早く訂正する。ただし過去の掲載内容を断りなく変更してはいけない。
・値打ちのある情報と見識を提供する。IBMのブランド価値は社員により示されると同時に、社員のブログの内容等がIBMのブランド価値を左右するものであることを忘れないこと。
〝声なき民〟という言葉があるが、今や一般の民も気楽手軽に発言できる時代だということを経営者は肝に銘じておくことが必要だ。

トレンドマイクロ社の調査結果(HPから引用)
対象:新社会人(2009年4月1日に就職予定の20歳以上310人)と社会人(20歳以上の正社員721人)

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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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第43回 写真満載 ! ほのぼの犬ブログ
愛犬家と愛猫家の数は飼育頭数で見る限り拮抗している(犬約1232万頭、猫約1002万頭/ペットフード協会2009年度推計)。ところがブログの世界では数的には愛犬家が愛猫家を圧倒している。会員数900万人を誇るアメーバブログには犬をテーマにしたブログが3万1345あるのに対して、猫をテーマにしたブログは約半分の1万6895にしかすぎない。
ブログのランキングサービスを提供しているサイト「にほんブログ村」には45万人弱のブロガーが登録しているが、ここでも犬ブログ3万3509に対して猫ブログ1万5884とダブル・スコア状態。ちなみににほんブログ村には全部で121のカテゴリーがあるが、その中で登録ブログ数が3万を超えているのは犬ブログ(2位子育てブログ2万8107、3位ライフスタイルブログ2万4658)だけ。いかに愛犬家ブロガーが多いかがわかるというものだ。
数の上では猫ブログを圧倒している犬ブログだが、人気の点ではその立場は逆転する。猫ブログの人気はすさまじく、にほんブログ村の総合ランキングベスト10のうち1~4位、6、10位を猫ブログが占めている。大人気なのである。犬ブログも5位と7位に入る健闘ぶりなのだが、猫ブログの人気にはおよばない。
犬ブログも猫ブログも、ブログの作りはよく似ている。愛くるしい表情を見せるペットの写真を何枚か貼り付け、写真にセリフを書き加えたり、写真の上下にキャプション風の言葉を書き足して日々のエピソードを綴る〝実写版ペット漫画〟のような作りが定型、定番だ。今回紹介する犬ブログの人気ランキングベスト5に入っているブログもすべてそのような作りになっている。もちろんランキング上位の人気ブログには定型プラスαの魅力がそれぞれある。
ランキング1位の「ニュージーランドちわわん生活」のプラスαの魅力は、軽妙な文章にある。可愛いペットの写真と読んで面白い文章が組み合わされば人気が出るのも当然というものだ。
2位の「日めくりうにさん」は写真の多さがプラスαの魅力で、可愛らしいうにさん(トイプードル・2歳)の写真が毎回二十数枚アップされている。平均して4~5枚の写真で構成しているブログが多い中にあって、同ブログの写真の多さは突出している。
3位の「子ナシ夫婦の犬育て」のプラスαの魅力は愛犬2匹のキャラ設定がはっきりしているところ。気が小さくておっちょこちょいで八方美人のももと、身体は真っ白、心は真っ黒、下剋上を夢見る内弁慶の小梅というキャラ設定が日常のエピソードを書く上でちょうどいいスパイスになっている。
4位の「ポチのほのぼの日記」は、愛犬ポチの顔のアップにこだわった写真がプラスαの魅力。ときにアザラシの赤ちゃんのようにも見える顔が、ほのぼのとした気分にさせてくれる。
5位の「羊の国のラブラドール絵日記NEW!!」はニュージーランド在住のゆうさんが描く絵が最大の魅力。ときにイラスト風、ときに4コマ漫画風に描かれる2匹のラブラドールがいい味を出している。
※数字はいずれも7月5日現在
■犬ブログ人気ランキング(7月5日現在/にほんブログ村から)
1.ニュージーランドちわわん生活
2.日めくりうにさん
3.ポチのほのぼの日記
4.子ナシ夫婦の犬育て
5.羊の国のラブラドール日記NEW!!
1位の「ニュージーランドちわわん生活」(上)
イラストが人気の「羊の国のラブラドール絵日記NEW!!」(下)


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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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第42回 ドタバタ家族の爆笑4コマ
4コマ漫画を描く上で影響を受けた人は?とたずねると、
少々意外な答えが返ってきた。
『アサッテ君』の東海林さだお氏や
『がんばれ!!タブチくん!!』のいしいひさいち氏などの
名前を期待していたのだが、はなさんの答えは「両親や親戚」であり、
同県人(大分県)のとんち名人「吉四六さん」だった。
「両親や親戚がみな話術が巧みでおかしい。
素人なのに必ず話にオチをつけて笑わせる話術の持ち主ばかりで、
私も幼少の頃からそういう話術を身につける訓練を積まされたのかもww。
それと大分は吉四六さんに代表されるように、
人々が集まると必ず誰かが面白いことをいって
笑わせる話芸の伝統があるんだそうです」
この血筋と地域性を色濃く受け継いでいる妖怪系天然ユルキャラの
一人息子「おりぇくん」(小学3年生)を中心に、
宿題を忘れて立たされる夢にうなされ続けている
小学生並みの精神年齢の持ち主である夫「クロとら」、
そしておりぇくんの母であり、クロとらさんの妻である「はな」さんの3人からなる
ちくわ家のほぼノンフィクション4コマ漫画ブログ、
それが「ちくわの穴から星☆を見た *4コマ」だ。
「息子も夫もこちらの想像を超えた言動をする大人物で、
それをきちんとハンドリングすべきお母さん役の私までが
かなり抜けてますので家の中は常にドタバタ。
良妻賢母のママも賢いハジメちゃんもいないバカボン一家だと
思っていただくとよろしいかと」
はなさんがブログを立ち上げたのは2005年12月のこと。
今年12月で丸5年になる長寿ブログであり、
累計1200万ヒットを超える大人気ブログである。
「出産後、育児に追われて自分の時間がゼロになってしまい、
その閉塞状況から逃げ出したい一心で
子供が1歳になると同時に再就職したのですが、
これがパワハラが蔓延する非常に閉鎖的な職場で、
慣れぬ子育てとあいまって心身ともに疲労困憊してしまいました。
そんなときに、小さな世界に閉じこもってイジイジしている自分に危機感を感じ、
もっと広い世界と関わりたいという必死の思いで辿り着いたのがブログでした」
「最初はやむにやまれぬ思いからはじめたブログですが、
問題の職場を1年で退職してフリーのイラストレーターとして復職してからは、
オリジナルのエッセイマンガを描くという
仕事上の目標を叶えるための〝仕事の看板〟であり〝修業の場〟として
ブログをとらえるようになりました。
目標に近づいているかどうかはわかりませんが、
漫画をアップすると同時に寄せられる読者の生のレスポンスや、
読者との双方向のやりとりを通じて、
描き手としてブログに育てられているという実感はすごくあります」
ちなみに「ちくわの穴から星☆を見た」という風変わりなタイトルの由来は、
記念すべき第1回投稿(05年12月16日)に軽妙に記されている。
吉四六さんばりのとんちの効いた文章はなかなか面白いのでご一読アレ。
■「ちくわの穴から星☆を見た *4コマ」
http://ameblo.jp/pohoo/
(左)母のささやかな夢、(右)風邪で発熱!


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たきた・せいいちろう 1955年生まれ。ノンフィクション作家/ブログ評論家。
著書に『65歳定年時代に伸びる会社』『ビッグコミック創刊物語』『長靴を履いた開高健』など。
■ブログ「わたし、ブログ評論家です。」
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第41回 リストラ劇を克明に書いた「リストラなう」


第40回 災害時に役立つ消防庁のツイッター


第39回 旅気分に浸れる旅行ブログ


第38回 penpenさんの温かいマンガ
第37回 毎日、長文で書く精神科医のブログ
和田秀樹さん(1960年生まれ、精神科医)は毎日長文のブログを書いている。
400原稿用紙6、7枚におよぶことも珍しくない。
ざっと2月で単行本1分くらいの文章量を書いている勘定だ。
2008年6月28日にブログを開始して以来
ほぼ連日ブログを書き続けているということなので、
合計では単行本12冊分の文章をこれまでに書いたことになる。大変な労力だ。
あまたいるブロガーの中でも、これほど精力的にブログを書き続けているブロガーは珍しい。
「思いついたことを思いついたときに、いいたいことをいいたいときに書いているだけ。
書きながら、いろんな反応や反論を想定して、
それに対する文章をどんどん足していっちゃう癖がある。
それもあって文章が長くなる」
一日にブログに費やす時間の目安は30分ほど。
わずかな時間で原稿用紙6、7枚分の文章を一気に書ききってしまうのだから、
何事にも素早く反応する高速かつ独自の思考回路の持ち主なのだろう。
その作業を毎日欠かさず続けているのは、
ブログをはじめた頃のちょっとした勘違いと自らの性格による、
と精神科医らしく自己分析する。
「最初ブログというのは毎日書かなければいけないものだと勘違いしていた。
で、毎日書き続けているうちに私は強迫性格なので毎日書かないとダメになっちゃった」
強迫性格の特徴は一言でいうならば自分のペースが崩れると
感情不安定に陥りやすいこと。
平たくいえば、やるべきことを徹底しないと気が済まない性格ということである。
「強迫の一番大きなポイントは〝止められない・止まらない〟ということなんです。
たとえば手洗い強迫の人は徹底的に手洗いすることが止められないとか」
止められない・止まらない状態が高じて、かつ度を超すと、
自分で行動や感情をコントロールできない中毒症状(依存症状)を呈することになる。
「精神医学界では行為に対する依存ということが最近注目されている。
薬物依存とかアルコール依存のように物質に依存するのではなく、
行為に対する依存症ですね。たとえば買い物依存とかセックス依存とか。
行為そのものの魅力に取り憑かれて、
あるいは行為そのものが完全に強迫を完成してしまって依存になる。
現実世界が閉塞すればするほど、そういう症例が増えていく。ネット中毒もその一つ。
日本にもかなりの数のネット中毒者がいると思うし、今後さらに増えると思う」
強迫性格を自認し、2カ月に単行本1冊のペースでブログを書き続けている和田秀樹さん自身は
ネット中毒なのでは?と尋ねたら苦笑いされた。
「毎日ブログは書いてますが、30分程度で文章を書き終えて、
さっさと次の仕事に移ることができる。止められない・止まらないということではないので、
ネット中毒ではないと勝手に思ってますけど(笑)」
ネット中毒ではないが、ネットにつながっていないと不安を覚える
"オフライン不安症"の傾向はあるというのが和田さんの自己診断結果である。
![週刊誌の未来を考える 週間朝日 談 [DAN]](http://www.wa-dan.com/common/images/logo.gif)













